ダイフクとの協働で省人化率90%など驚異的な成果
ユニクロを展開するファーストリテイリングは10月9日、マテハン大手のダイフクと戦略的グローバルパートナーシップを締結したことに併せ、両社が2016年12月から取り組んできた有明倉庫(東京・江東区)における自動化プロジェクトの詳細な経緯・仕様・成果・将来展望を公表した。
省人化率90%、入庫生産性80倍、出庫生産性19倍を達成するなど、各業績指標で驚異的な成果を挙げていることを明示。「服の専門家による今までにない全く新しい自動倉庫」(ファーストリテ記者説明会資料)と革新性・独自性を強調している。
ファーストリテは15年に発生した“ユニクロ物流の大混乱”を契機に物流分野の大規模かつ抜本的な改革に着手。その一環として有明倉庫で世界最先端の技術・機器を用いた超省人化アパレル倉庫の実現を目指してきた。ダイフクは今プロジェクトのパートナーとして参画した。
世界最高水準の自動倉庫建設に向けて両社が「まるで1つの会社のようにワンチームで働く」(同)と表現される強い連携・協働の下、当初3年と目されていた工期を半分の1.5年に短縮。またダイフクにとっては過去最大級の受注・完成案件となった。
有明倉庫には▽自動入庫荷下ろし機▽RFID自動検品機▽自動保管倉庫▽自動出庫倉庫▽QPS(クイック・ピック・ステーション)▽自動製函機▽自動封函機▽方面別仕分けソーター▽自動オリコン畳み機――のさまざま最新鋭物流機器を導入。
自動化後のパフォーマンスは▽入庫生産性80倍▽出庫生産性19倍▽保管効率3倍▽省人化率90%▽ピッキング作業者の歩行数ゼロ▽教育コスト80%削減▽RFID自動検品精度100%▽24時間稼働▽AIカメラによる24時間遠隔監視――と飛躍的に向上した。
ファーストリテは今後も全世界・全拠点で倉庫の自動化プロジェクトを展開していく方針を打ち出している。
(鳥羽俊一)