【動画】2030年にはパワードウェアが職人技やトップアスリートの動きを再現、物流など産業分野でも活用

【動画】2030年にはパワードウェアが職人技やトップアスリートの動きを再現、物流など産業分野でも活用

パナソニック子会社ATOUNがビジョン公表、データをクラウドからダウンロード可能に

パナソニック子会社で物流現場などの作業負荷を軽減する着用型ロボット「パワードウェア」を手掛けるATOUN(アトウン、奈良市)は6月3日、10年後の2030年を見据え、パワードウェアが社会でどのように活用されるのかを展望したビジョン「ATOUN Vision 2030」を発表した。

日常生活の中でよりパワードウェアが浸透し、ある人の動作や技能に関して蓄積したデータを使い、時を超えて別の人でもパワードウェアを通して体験できる「フリーアビリティ社会」を想定。一流の職人が持つ技やトップアスリートの動きなどをクラウドベースでダウンロードし、自分のパワードウェアで再現して身に付けることが可能になるとの未来像を描いた。


クラウド活用のイメージ(本記事中の写真はいずれもATOUN提供・クリックで拡大)

人間はパワードウェアで無意識のレベルでサポートを受けながら、主体的に仕事やスポーツ、趣味などを楽しめるようになるとの理想像を提示。外部のクリエイティブ集団の協力を得て取りまとめた将来のイメージを紹介しており、体力の衰えたバレリーナが透明なパワードウェアを身に付け、過去の動きを取り戻したり、日曜大工の作業が苦手な女性がAR(拡張現実)グラスとパワードウェアを装着して家具の複雑な組み立てを完了したり、クロスカントリースキーの選手が亡くなった父親のデータを使って練習したりすることを例示した。

そのため、パワードウェアをインターネットに接続して技能や動きのデータを収集するIoT(モノのインターネット)化を進める方針を示した。


パワードウェア活用のイメージ

本社で記者会見したATOUNの藤本弘道社長は、フリーアビリティ社会のイメージに関し「産業分野でもより安全に作業していただけるようになる。動作データを見て、自分の体の使い方がより上手になる可能性を秘めている。生産効率も計算できるようになる」と解説、物流現場などでもパワードウェア経由で動作や技能を習得することにつながっていくと期待を示した。


記者会見する藤本社長

(藤原秀行)

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