アイトスとクラボウ、肩や腕を動かしやすい「ムービンカット」のワーキングウェアを運送業などに拡販へ

アイトスとクラボウ、肩や腕を動かしやすい「ムービンカット」のワーキングウェアを運送業などに拡販へ

業界向けに多様な商品開発、22年度に販売累計1000万点目指す

作業服の製造・販売を手掛けるアイトス(大阪市中央区)と倉敷紡績(クラボウ)は12月9日、クラボウが特許を持つ独自の立体裁断技術「ムービンカット」を使って着やすさや体の動かしやすさを高めたワーキングウェアの拡販を図ると発表した。

ムービンカットを採用したワーキングウェアは2000年に発売、長袖のブルゾンなど多種類を手掛け、販売累計が800万点を超えるロングセラー商品となっている。両社が連携して製造業や運送業、建設業、農業など幅広い業界向けに商品開発を強化。22年度には販売累計1000万点達成を目指す。

ムービンカットはワーキングウェアの肩や腕のつっぱる感じを減らし、動きやすさを向上している。今年9月には、クラボウが開発したムービンカットの新たな立体裁断パターンを利用した新商品を市場投入している。

このたび、外部の機関にムービンカットのワーキングウェア着用時に体をどの程度動かしやすいかを比較する試験を依頼。一般的な裁断パターンのワーキングウェアに比べ、最大で筋肉への負荷が約23%減少していることを確認したという。

今後は負荷軽減の効果を数値でアピールするとともに、幅広い業界向けに独自の機能を持たせた商品を21年の秋冬向けに販売、ニーズを掘り起こしていきたい考え。併せて、スポーツや一般消費者向けの商品開発も視野に入れている。

東京都内で同日記者会見したアイトスの伊藤崇行社長は「当社はカジュアルウェアも手掛けており、一般やスポーツにも幅広く使っていただける可能性がある。逆に一般の商品の機能をワーキングウェアに反映させていくことも考えられるのではないか」と説明。同社商品部門商品課の柴田剛史リーダーは「静電気を生じにくいといった機能を業界ごとに細かく考えて付加価値を高めた新商品を実現したい」と意気込みを示した。

クラボウの北畠篤常務執行役員(繊維事業部長)は「非常に着やすいので、一般消費者の方々にも必ず訴求できる」と市場拡大への期待感を述べた。


ムービンカットのワーキングウェア(以下、いずれもクリックで拡大)


動かしやすさを確保


会見後の撮影に応じる(左から)クラボウ・北畠氏、1人置いてアイトス・伊藤氏、柴田氏

(藤原秀行)

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