【独自取材】「ホワイト物流」賛同、新たにタツタ電線やアダストリアなど加わり1136に到達

【独自取材】「ホワイト物流」賛同、新たにタツタ電線やアダストリアなど加わり1136に到達

20年12月末時点、1カ月で27増加

政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを図る「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が2020年12月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1136に達したことが、同運動事務局が1月15日に更新したデータで明らかになった。

昨年11月末から1カ月間で27増えた。ロジビズ・オンラインが同運動事務局のウェブサイトに掲載されたデータを基に、賛同を表明した企業・組合・団体を独自に集計した結果、最も多い運輸・郵便業は昨年11月末の570から587へ17増加し、全体の過半数を維持。製造業は346から351へ5増えた。

卸・小売業は100から102へ伸びたが、運輸・郵便業や製造業に大きく水を空けられている構図に変化はない。物流業界関係者の間では、着荷主となることが多い卸・小売業の積極的な参加が「ホワイト物流」を成功させる上で重要な意味を持つと見る向きが多く、新型コロナウイルスの感染拡大下でも推進運動の意義を卸・小売業界で周知、参加の機運を高めることが引き続き期待される。

運輸業で宣言の「詳細非開示」相次ぐ

昨年11月末以降、新たに賛同した企業に名を連ねたのはJX金属系の電線・光ファイバーメーカーのタツタ電線、女性向けカジュアル衣料大手のアダストリア、日野自動車子会社で幹線輸送効率化・省人化に取り組むNEXT Logistics Japanなど。

ただ、27の企業の一部は宣言内容の最終更新日を記入していなかったり、12月とは異なる月日を記したりしており、各社がそろって12月末までの1カ月間に宣言を提出したかどうかは不明。

また、運輸業の中には、同宣言で選択した項目を非開示としている企業が複数見られた。同運動では、自主行動宣言の内容は企業側が望めば詳細を公表しなくても容認されているが、運動の実効性を考えればやはり詳細を明らかにすべきであり、運輸業の意識向上が望まれる。

政府は19年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。運動への協力を表明したのは昨年12月末時点で2割弱。

同運動の事務局は同一企業で異なる営業所が宣言を出していたり、同じグループ企業から複数の企業が宣言を出していたりしても、それぞれ1社ずつカウントしている場合があり、集計に際しては同運動事務局の仕分けに従った。

(藤原秀行)

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