21年1月末から増加はわずか11、過去最低ペース
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを図る「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が今年2月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1188に拡大したことが、同運動事務局が3月12日に更新したデータで分かった。
ロジビズ・オンラインが同運動事務局のウェブサイトに掲載されたデータから、賛同を表明した企業・組合・団体を独自に集計した結果、新たにローソンや農薬大手の日本農薬、ホンダの物流子会社ホンダロジスティクスなどが新規で名を連ねたことを確認した。ただ、1月末から1カ月間で増えたのはわずか11と、月ごととしては過去最低ペースに落ち込んだ。
最も多い運輸・郵便業は1月末の622から7増えて629に伸び、引き続き全体の半分を上回った。製造業は354から357へ3増えた。卸・小売業は102から1増えて103で、運輸・郵便業や製造業に大きく水を空けられている構図が続いている。
物流業界関係者の間では、着荷主となることが多い卸・小売業の積極的な参加が「ホワイト物流」推進運動を成功させる上で重要と期待する向きが多く、新型コロナウイルスの感染拡大下で経済環境が厳しい中でも推進運動の意義を卸・小売業界で周知、参加の機運を高めていくことが課題となっている。
1月末から2月末の間にウェブサイトで新たに掲載された企業のうち、一部は宣言内容の最終更新日を記入していなかったり、2月とは異なる月日を記したりしており、各社がそろって2月末までの1カ月間に宣言を出したかどうかは不明。
政府は2019年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。運動への協力を表明したのは2月末時点で2割弱。
同運動の事務局は同一企業で異なる営業所が宣言を出していたり、同じグループ企業から複数の企業が宣言を出していたりしても、それぞれ1社ずつカウントしている場合があり、集計に際しては同運動事務局の仕分けに準拠した。
(藤原秀行)