千葉~茨城の利根川上空通過、医療物資や災害時救援物資を想定
ドローン開発などを手掛ける空解(くうかい、東京都町田市)は6月30日、独自開発のeVTOL(電動垂直離発着型)固定翼ドローン2機を使い、医療物資や災害時救援物資の長距離・非接触・保冷輸送を想定した飛行の実証実験を7月17日に千葉、茨城の両県間で実施すると発表した。
千葉県銚子市の学校給食センターから利根川上空を飛び、茨城県河内町の研究施設「ドローンフィールドKAWACHI」までトータルで約70キロメートルの目視外・自動飛行を想定。飛行時間は1時間20分程度を見込む。ダミーのワクチンのほか、マスクや消毒用アルコール、モバイルバッテリーなどを運ぶ予定。Team ArduPilot Japanとアイ・ロボティクスが協力し、NTTドコモが通信機器を提供している。
空解は「電動ドローン輸送距離の日本記録になる」と説明している。悪天候が予想される場合は7月16日に前倒しして行う可能性がある。
同社が設計し、日本国内で開発を進めたeVTOL「QUKAI FUSION」は滑走路を使わずどこでも離着陸できるのが特徴。全長1・475メートル、全幅2・1メートル、貨物の最大積載量は2・5キログラム。最大航続距離120キロメートル、最高速度は時速120キロメートルと設計している。
政府は2022年度をめどに、人口が多い市街地上空で目視外の自律飛行「レベル4」を解禁する方向で準備を進めている。同社はレベル4実現をにらみ、非接触・低炭素排出の新たな輸送手段を確立したい考え。
eVOTL固定翼ドローンのイメージ
飛行予定ルート(いずれも空解提供)
(藤原秀行)