地図生成・更新機能強化、商業化加速へ
トヨタ自動車は7月15日、子会社で先端技術開発を担うウーブン・プラネット・ホールディングスが、自動運転モビリティのための高精度地図を中心とした次世代道路情報解析を得意とする米CARMERA(カーメラ)を買収すると発表した。
ウーブンは今年4月にも世界有数の配車サービス会社、米リフトの自動運転部門を約590億円で買収する方針を公表しており、自動運転の事業拡大へ積極姿勢が目立つ。具体的な買収額は開示していない。
買収完了後、カーメラのチームはウーブン・プラネットの事業会社ウーブン・アルファの自動地図生成プラットフォーム(Automated Mapping Platform=AMP)チームと協働する予定。ウーブン・アルファは事業拡大に向けカーメラと連携、安全で快適な自動運転の実現に不可欠な高精度地図の生成・更新・提供を行うクラウドソース型ソフトウエアプラットフォームのAMPの機能強化を図る。
ウーブン・アルファはAMPを道路や車線まで含むグローバル規模の高精度地図プラットフォームへ進化させることを目指しており、カーメラのエンジニアをチームに加えてAMPの商業化を加速させる。
今後はカーメラの知見を取り入れ、クラウドソース型のカメラから取得したデータを活用することで、従来の方法よりも低コストかつ迅速に変化点を抽出し、高精度地図を更新できるようになると見込む。AMPは道路や車線、信号や道路標識などの変化点をほぼリアルタイムで地図に反映することが可能で、道路の区分や特徴などを包括的に地図に取り入れる機能の強化につなげる。
カーメラはウーブン・プラネットの子会社となる。ウーブン・プラネットは東京本社だけでなく、シリコンバレーやロンドンに加え、ニューヨークやシアトルにもオフィスを構え、活動範囲をグローバル規模で拡大する予定。
(藤原秀行)