5月の米国向け海上コンテナ、中国はコロナ禍響き再びマイナスに

5月の米国向け海上コンテナ、中国はコロナ禍響き再びマイナスに

デカルト・データマイン調査、韓国やベトナムなど伸び10カ国・地域全体は23カ月連続プラス

米調査機関デカルト・データマインが6月10日公表した海上コンテナ輸送量実績調査結果によると、5月のアジア主要10カ国・地域発米国向け(往航)輸送量は前年同期比3.2%増の186万6108TEU(20フィートコンテナ換算)だった。

5月としての過去最高を更新し、23カ月続けて前年実績を超えた。

貿易量の約6割を占めて断トツでトップの中国は新型コロナウイルスの感染拡大で上海のロックダウン(都市封鎖)が継続したことなどから港湾作業も影響を受け、5月は1.0%減の106万9265TEUとなり、再びマイナスに転じた。しかし、韓国やベトナム、台湾などが堅調を維持、全体の伸びをけん引した。

ロシアによるウクライナ侵攻で世界的にインフレ傾向が強まるなど、経済が世界的に混乱する中、今後の貨物取り扱いの動向は予断を許さない状況が続きそうだ。

中国以外の5月の実績は、取扱量2位の韓国が13.7%増の18万9222TEU、3位のベトナムは19.3%増の18万6188TEUとそろって2桁増を確保。4位の台湾も5.1%増の10万1720TEU。

プラスとなったのはトータルで5カ国・地域だった。日本は12.0%減の3万5739TEUにとどまった。

5月の主要品目別実績は、トップの家具類が3.9%減、2位の機械類が0.5%減、3位のプラスチックが6.2%減といずれもマイナス。一方、電子電機は8.5%増、玩具・運動具は6.6%増、ゴム製品(タイヤ)は22.0%増など、品目によって増減が明確に分かれた。

一方、米国発アジア主要10カ国・地域向け(復航)の4月分は11.2%減の47万3614TEUで、マイナス基調が続いた。中国向けは8.9%減の13万5144TEU、日本向けは10.9%減の6万760TEUなど、全ての国・地域が前年水準を割り込んだ。

(藤原秀行)

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