帝国データ調査、負債総額77.2億円
帝国データバンクが8月1日明らかにしたところによると、3PL事業などを手掛ける物流事業者のグッドビリーヴ(大阪府摂津市、登記上は大阪府高槻市)など4社が7月31日に事業を停止、自己破産申請の準備に入った。
帝国データによると、現時点で4社の負債総額は77億2000万円。残りの3社はグッドビリーヴホールディングス(HD)、ウィズキャリア、GBコールドライン。
グッドビリーヴは2004年1月発足。西日本を軸に全国の食品スーパーやディスカウントストア、食品商社、食品メーカーなど食品関連企業を主要顧客に抱え、商品運送から保管、ロケーション管理、ピッキング作業、食品加工などの物流関連業務を受託していた。東北から九州地域にかけて15以上の物流センターを整備して業容を拡大、2017年12月期は年収入高約105億2600万円を計上した。
その後、グッドビリーヴHDを筆頭とする持ち株会社体制へ移行。18年には同業者を買収するなど事業拡大を推進していたが、過剰な有利子負債を抱える中、19年に入り取引金融機関との追加資金調達交渉が難航し、急速に資金繰りが悪化。同年10月には取引金融機関に対して返済猶予(リスケジュール)を要請していた。
さらに、交渉過程で過去の粉飾決算が発覚。信用が失墜し、再建に向けた事業計画を提示したが金融機関の同意を得られず、一部金融機関が債権をサービサーに売却するなどの動きが相次いだ。業務面で取引解消の動きも止まらず、業容縮小を余儀なくされた。新型コロナウイルスの影響もあって収益は落ち込み、赤字決算から脱却できず、原油価格高騰などの事業環境悪化も打撃となり再建の見通しが立たなくなった。
(藤原秀行)