延べ床面積約8万600平方メートル、市内最大規模
三菱地所は2月4日、名古屋市内に建設したマルチテナント型物流施設「ロジクロス名古屋笠寺」の完成記念式典を現地で行った。同社が単独で開発する「ロジクロス」シリーズとしては全国で5件目、中部エリアでは初の完成物件となった。
新施設は地上4階建て、延べ床面積約8万600平方メートル。愛知県の公共施設跡地を入札で取得した。同社によれば、名古屋市内に立地している物流施設としては最大規模となる。
名古屋高速3号大高線の笠寺ICから約500メートル。名古屋港のコンテナターミナルまで約15キロメートル、中部国際空港セントレアまで約35キロメートルなど、市内の消費地に加え、中部エリアや東京・大阪などへの広域配送拠点として活用を見込めるのが強み。
「ロジクロス名古屋笠寺」の外観
「ロジクロス名古屋笠寺」の外観。最寄り駅から徒歩約8分
併せて、JR東海道線の笠寺駅から徒歩約8分、名鉄常滑線の大江駅から同約15分と徒歩圏内に設置。雇用確保の面でも競争力を持たせている。
施設は各フロアで約680坪からの賃借を可能とし、1フロア当たり最大5区画、施設全体で20区画まで分けられるよう設計。細かな利用ニーズにも配慮している。
完成時点でDHLグループ、医療機器などを専門に扱う商社の八神製作所(名古屋市)、物流企業の髙末(同)の3社が入居を決めるなど、計5社で全体の約5割の賃貸借契約を獲得済み。残る約5割も引き合いは好調という。
新たな試みとして、従業員用の「コンフォートラウンジ」とは別に、「ロジクロス」シリーズとしては初めて、1階のセキュリティーエリア外にテナント企業が来客と気軽に商談などができる「エントランスラウンジ」を設置。施設内の事務所スペースの有効活用もサポートしている。
フロアを細かく区分できる設計
商談などが可能な「エントランスラウンジ」
最大5区画に分けられるフロア
従業員用の「コンフォートラウンジ」
1階で来客も利用できる「エントランスラウンジ」
BCP(事業継続計画)対応として、非常用発電機などを導入しているほか、大津波警報が出た場合に一時避難が可能な「津波避難ビル」の指定を受ける予定。ランプウェーを中心に約5000人が一時滞在できるようにし、地域社会への貢献も念頭に置いている。
(藤原秀行)