航空フォワーディング、運賃は下期に正常化進むと予想

航空フォワーディング、運賃は下期に正常化進むと予想

日立物流・林副社長、米KKRとのシナジーに期待

日立物流の林伸和副社長CFO(最高財務責任者)は10月28日に開催した2022年9月中間決算の電話会見で、米KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)による日立物流買収に関し「KKRさんはいろんな会社を傘下にお持ちなので、そういったところの輸送をご紹介いただけるとか、具体的な話は今後になると思っている」と語り、日立物流へのTOBなどが完了した後、KKRとのシナジー効果を発揮することに期待を見せた。

かねてから今後の成長策の1つに位置付けているM&Aに関しては「いくつかの案件が動いているが、説明できるような状況にはまだまだなっていない。アジアに特化してはおらず、いろんな案件を検討している」と述べ、グローバル規模でM&A対象の検討を継続していることを明らかにした。

また、今年9月に公表したオランダの国際フォワーディング会社Cyber Freight International Holding(サイバー・フレート・インターナショナル・ホールディングス)の全株式を12月中に取得、買収する件に言及。「医薬に強いので、世界中のフォワーディングネットワークを広げていきたい」と狙いを語り、欧米やアジア、アフリカなどに幅広い拠点を展開している同社を足掛かりにしてグローバル規模で医薬品事業を伸ばしていくことに強い意欲を見せた。

今後の経済環境の展望については「フォワーディングの航空は物量が減少傾向にあり、料金も下期はだんだん正常化が進んでくると思っている」と指摘。これまでのような国際物流の混乱に伴う運賃高騰が収益を押し上げる局面からは変化してくると予想した。

ロシアのウクライナ侵攻の影響に関しては「余談は許さないが、今のところ直接大きくは受けていない」と話した。

(藤原秀行)

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