豊田自動織機がフォークリフト用エンジン評価試験で不正の疑い、当該機種の出荷停止★初報

豊田自動織機がフォークリフト用エンジン評価試験で不正の疑い、当該機種の出荷停止★初報

排出ガスの有害成分量偽装か、会長・社長が役員報酬全額を6カ月間辞退へ

豊田自動織機は3月17日、フォークリフト向けのエンジンで、国が定める排出ガスの評価試験の際、データを差し替えるなどの不正行為があったことが判明したと発表した。

排出ガスに含まれている有害成分の量が国内の規制値を上回っているにもかかわらず、基準をクリアしているように偽装した疑いがあるという。国土交通、環境、経済産業の3省に不正行為を報告した。

対象はディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種の計3機種。豊田自動織機は当該のエンジンを載せたフォークリフトの国内出荷を停止することを決定した。一部の車種はリコール(回収・無償修理)に踏み切る見通し。

豊田自動織機の大西朗社長は同日、名古屋市内で開いた記者会見で「法規の知見や認識が欠けていた」と説明、謝罪した。

同社は今後、社内に特別調査委員会を設置し、不正行為の動機と原因の究明、再発防止策の検討に当たる。同委の委員長には元福岡高等検察庁検事長の井上宏弁護士・公認不正検査士が就任する。

併せて、不正行為の責任を取り、豊田鐵郎会長と大西社長がともに月額報酬の全額を6カ月間辞退することも公表した。

国土交通省は同日、「このような事態は、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾」と表明。豊田自動織機に対し、事実関係の詳細な調査と再発防止策の検討を実施し、速やかに報告するよう指示したことを明らかにした。

(藤原秀行)

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