長距離トラック輸送の中継拠点、「中部・大阪以東の関西エリア」で潜在需要強く

長距離トラック輸送の中継拠点、「中部・大阪以東の関西エリア」で潜在需要強く

三菱UFJ信託銀行がレポート、福島や山形も可能性指摘

三菱UFJ信託銀行は4月27日、「物流網再編が不動産に与える影響~中継拠点の潜在需要~」と題するレポートを公表した。

トラックドライバー不足やEC市場成長による小口荷物増加といった環境変化を踏まえ、中継・共同輸送によるトラック輸送合理化の推進について言及。長距離を輸送する荷物を引き継ぐための「中継拠点」の潜在需要は、太平洋側を中心に、特に輸送量が多い東京~大阪の中間に位置する「中部・大阪以東の関西エリア」で強いと推計した。

国土交通省の「貨物地域流動調査(2017~21年)」結果を活用し、直線で300km以上の2209通りの長距離貨物輸送量が含まれる地域を中継貨物の「潜在需要」として定義したところ、京都や三重、岐阜、愛知、岡山で特に需要値が高くなった。兵庫、大阪、和歌山、静岡、山梨、神奈川も次いで高かった。


レポートは「中部・大阪以東の関西エリア」は九州から東北まで様々な地域物流が通過することが想定されると分析。岡山については「九州から関西以東の長距離輸送の中間に位置することから安定した需要が見込まれる」との見解を示している。

また、この推計に荷物の発着両地点からの距離を加味し、追加で分析したところ、福島と山形は潜在需要が突出して高いわけではないものの、「発着両地点からの距離が大きい輸送の割合が高く、中間中継拠点としての需要が見込まれる」と展望している。

レポートは「貨物の輸送量や輸送距離に着目して把握される潜在需要は中継拠点を用いた共同配送による貨物の混載化や輸送行程の単一化による輸送効率化を検討するうえで、把握すべき重要な指標ではないかと考える」と述べている。

(藤原秀行)

レポートの原文はコチラから(三菱UFJ信託銀行ホームページ)

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