グローバル展開加速狙う
NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)は5月12日、オーストリアの物流企業カーゴ・パートナー(Cargo-partner)とそのグループ企業を買収すると発表した。
NXHDの欧州子会社NIPPON EXPRESS EUROPE傘下のSPC(特別目的会社)を通じ、カーゴ・パートナーのグループ持ち株会社などから、中東欧など各地で事業展開しているカーゴ・パートナー・グループ63社の全株式(一部企業除く)を取得する。買収手続きは今年11月から2024年5月の間に完了する見通し。
株式取得は総額で8億4500万ユーロ(約1270億円)の予定。NXHDグループとしては過去最大規模のM&Aになる見込み。株式取得と併せて、買収実施後、各社が一定の財務指標を達成した場合にアーンアウトとして最大5億5500万ユーロ(約830億円)を追加で支払う。
NXHDはグループで「グローバル市場で存在感を持つロジスティクスカンパニー」を目指し、海外企業のM&Aを検討している。
カーゴ・パートナーは欧州の産業集積地として注目度が高まっている中東欧エリアを地盤とする上、NXHDが取り扱いの拡大を目指している自動車や電子部品、医薬品などの海運・航空フォワーディングなどに強みを持つ。
カーゴ・パートナーを傘下に迎え入れ、グローバルでの事業展開を加速していきたい考えだ。
カーゴ・パートナーの22年12月期の連結業績は売上高が20億6339万ユーロ(約3100億円)、当期純利益が5381万ユーロ(約80億円)だった。
(藤原秀行)