セイノーHDやエアロネクスト、和歌山・日高川町でドローン活用した新スマート物流の社会実装スタート

セイノーHDやエアロネクスト、和歌山・日高川町でドローン活用した新スマート物流の社会実装スタート

買い物代行やフードデリバリー展開

セイノーホールディングス(HD)とエアロネクスト、子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYは7月10日、和歌山県日高川町で、ドローンなどの先進技術を活用して物流ネットワークの維持を図る新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」のサービスを7月6日に開始したと発表した。

サービスは「SkyHub Delivery」、「SkyHub Eats」の2種類で構成。住民のニーズに応じて順次サービスを開始し、対象エリアも拡大する。新スマート物流SkyHubにおける配送の拠点で一時倉庫の機能も備える「ドローデポ」は日高川町川原河に構え、今年度中には各運送会社と連携した共同配送の開始も目指す。

新スマート物流SkyHubはセイノーHDとエアロネクストが全国で推進しており、日高川町は山梨県小菅村、北海道上士幌町、福井県敦賀市、茨城県境町、千葉県勝浦市に続き、社会実装フェーズに入った自治体としては全国で6番目となる。


使用したドローンを前に、撮影に応じる「左から)エアロネクストとNEXT DELIVERYの代表取締役を務める田路圭輔氏、日高川町・久留米啓史町長、セイノーHD・河合秀治執行役員


荷物を載せた物流専用ドローンの離陸を見守る地元の保育園児や小学生達


名産のあゆの一夜干しや備長炭を配送し切り離して置き配する物流専用ドローンAirTruck(日高川町若者広場)

日高川町では、サービスのための配送手段は軽バンとドローンを採用。このうちドローン配送は主にエアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローンAirTruk(エアトラック)を活用する。

本事業は令和5年度(2023年度)デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装Type1)「ドローンを活用した新スマート物流実装事業」として採択されている。

サービス内容
1.地域の商店と連携した買物代行サービス(SkyHub Delivery)
SkyHubのアプリで買物した地域の商店やスーパーなどの商品が、希望日時に個宅に届く買物代行・配達代行サービス。地域の商店のDX化支援の取り組みでもあり、インターネットスーパーのサービスとなる。

美山地区では、近隣にある地元スーパーの約50アイテムの食料品、日用品から商品を選び、希望時間を選択して注文が可能。料金は配送料300円(税込)とサービス料(商品代金合計の10%)。当面は午前11時までの注文を当日中に配達する。

2.フードデリバリーサービス(SkyHub®Eats)
美山地区、中津地区の提携飲食店のフードをドローン便あるいはおクルマ便で配達する。料金は配送料300円(税込)とサービス料(商品代金合計の10%)を想定している。

ドローン配送にはエアロネクストが物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruckを採用。7月6日の報道関係者への公開では、地域住民の日常的な買い物利用を想定して、美山支所から若者広場までの片道約7㎞を約15分で、日高川町名産の「あゆの一夜干し」や野菜、備長炭などをAirTruckで届けられた。

ドローン配送は、年度内に70日以上の運航を達成するとともに、「レベル3」飛行でのドローン配送(無人地帯での目視外飛行)を秋以降に実施していきた考えだ。


日本発物流専用ドローンAirTruck


今回ドローン配送した名産のあゆの一夜干しや備長炭

(藤原秀行)※いずれもセイノーHDとエアロネクスト提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事