センシング技術で従業員の健康管理をサポート、ドライバーの睡眠質改善図る

センシング技術で従業員の健康管理をサポート、ドライバーの睡眠質改善図る

帝人フロンティアと両備ホールディングス

帝人グループで繊維原料の販売などを手掛ける帝人フロンティアと岡山を地盤とする両備ホールディングス(HD)は7月12日、両備HD社内カンパニーの両備トランスポートカンパニーのトラックの乗務担当社員を対象に、睡眠の質改善をサポートする取り組みを7月に共同で開始すると発表した。

デバイスとして帝人フロンティアの睡眠センサー「MATOUS SS(マトウス エスエス)」と、同社が新たに開発した睡眠時の体動情報を解析して睡眠の質を評価、改善をアドバイスする睡眠状態分析アプリ「MATOUS SC PRO Sleep(マトウス エスシー プロ スリープ)」を使用する。

両備グループは物流業界の「2024年問題」によるドライバーの労働時間短縮に対し、生産性を一層向上して乗り切るため、ドライバーの睡眠の質改善に着目。帝人フロンティアの展開する睡眠サービスを活用し、健康的で働きやすい職場づくりを目指して、両社共同で睡眠の質改善をサポートする取り組みを始めることにした。

「MATOUS SS」はウオッチ型デバイスのように身体に装着することなく、寝具の下に設置して就寝するだけで睡眠中の寝返りなどの体動情報や心拍、呼吸数などのバイタルサインを計測する。

専用アプリ「MATOUS SC PRO Sleep」はバイタルサインや入眠から起床までの睡眠時間や睡眠サイクル、中途覚醒などのデータを独自のアルゴリズムで解析し睡眠の質を判定する。判定結果はアプリ上でグラフ化・スコア化し、毎日の睡眠状態を確認できる上、データを時系列に月・年単位でグラフ化することも可能。さらに、アプリ上の専用コンテンツから睡眠に関する正しい知識を提供し、睡眠改善をサポートする。

両社の取り組みは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査受診経験者と、業務に不慣れな新人トラック乗務担当社員を対象に開始。対象者は就寝時に「MATOUS SS」を設置して測定する。

起床時に「MATOUS SC PRO Sleep」が解析した客観データと、アプリ内のセルフチェックシートに回答を入力することで得られる主観データを合わせて多面的に自身の睡眠状態の変化を確認、データに基づく専門家によるアドバイスなどにより自身で睡眠習慣を振り返ることで、睡眠の質の改善や向上につなげることを目指す。

測定データは帝人フロンティアの専用サーバーで蓄積・解析し、健康指標の1つとして両備ホールディングスに提供するため、全社的に睡眠健康度の把握が可能になると見込む。

今後は、両備グループのバスやタクシーの乗務担当社員にも適用していくことを検討する。

(藤原秀行)

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