有機溶剤使わない剥離紙使用、製造時のCO2排出量を25年時点で700t以上削減見込む
大日本印刷(DNP)は8月2日、宅配・通信販売・物流の事業者らに提供してきた「ラベル伝票」について、製造工程で有機溶剤を使わない剥離紙に切り替えてCO2排出量を削減する環境配慮型の新タイプを開発、提供を開始すると発表した。
2021年度の宅配便取扱個数は49億5323万個で、前年度と比較して約2.4%増加しているのに伴い、荷物に貼付する送り状のラベル伝票の数量も増えている。DNPはラベル伝票を環境配慮型製品に切り替えていくことで、25年時点で年間700t以上のCO2排出量削減を見込む。
段ボールに貼ったラベル伝票のイメージ
ラベル伝票から剥離紙をはがすイメージ
従来のラベル伝票は剥離紙の製造工程で有機溶剤が使われ、剥離紙の製造時に揮発した有機溶剤を回収して燃焼処理する工程でCO2が生じていた。DNPは排出量の削減に向け、有機溶剤を使わない剥離紙に切り替えることでCO2の排出量を抑えたラベル伝票を開発した。
ラベル伝票のように、異なる用紙を複数の層に重ねて貼り合わせる製品は、一般的に反りや歪みが発生しやすいという課題があった。DNPは材料構成や工程を工夫することで、従来品と同等の品質でラベル伝票を製造できるようにした。
今後、DNPグループで製造する大半のラベル伝票を環境配慮型に切り替えていく予定。併せて、ラベル伝票以外の製品でも、環境配慮型製品への切り替えを検討する。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用