小山企業グループの運送会社ルートケーツー、神奈川地盤の同業・昇領を買収

県内の輸配送網強化など狙い、「2024年問題」対応も

埼玉の倉庫会社、小山企業（埼玉県戸田市）は9月13日、グループで　ルートケーツーが、神奈川県相模原市の昇領　を9月1日付で買収したと発表した。

全株式を取得した。具体的な取得額は開示していない。

株式譲渡契約締結式の様子（プレスリリースより引用）

小山企業は2025年に創業60周年を迎える倉庫会社で、グループ内で物流の主要機能の倉庫・輸送・人材・加工・ITの機能を分社化し、それぞれの機能に特化した技術革新と事業拡大を図っている。

ルートケーツーは、その中の輸送機能を受け持つ運送会社として、2t車両を中心に30台のトラックを有し、埼玉県をはじめ、東京都、神奈川県、千葉県のストック倉庫に隣接する配送拠点を運営。首都圏への良好なアクセスを強みとしたネットワークを構築している。

小山企業は「運べる倉庫会社」を標榜し、消費財を中心とした共同配送の確立を目指しており、首都圏を中心に1ケースから運ぶ物流サービスを提供するため、自社配送網を拡大している。

昇領は大型車を中心に35台の自車車両を持ち、大手運送会社の1都3県下の幹線輸送を中心に輸送業務を手掛けている。小山企業は事業エリア・輸送量の拡大により、人口が集積する神奈川県中西部の輸配送網と、各拠点間の幹線輸送網の強化が急務となっている上、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念される「2024年問題」にも対応していくため、昇領を傘下に収めることにした。

今後はルートケーツーと昇領双方の機能を組み合わせ、ルートケーツーの「厚木営業所」を新設し神奈川県中西部エリアの配送網を拡充するとともに、各地区の配送拠点を接続する幹線輸送機能を昇領の輸送網で強化。勤怠・配車管理の統合・高度化による2024年問題対応の実現も目指す。

有限会社昇領の概要

（藤原秀行）