日中韓などアジア8カ国のパレット生産は5.3億枚、標準の「11型」「12型」で5割超

日中韓などアジア8カ国のパレット生産は5.3億枚、標準の「11型」「12型」で5割超

JPAが22年度集計、1人当たり枚数は韓国がトップ

日本パレット協会(JPA)は9月20日、APSF(アジアパレットシステム連盟)加盟各国のデータを踏まえ、アジア各国のパレット生産量と標準化比較資料を作成したと発表した。

APSFは昨年9月の総会以降、日中韓3カ国が中心となり、各国のパレット素材別・サイズ別生産数量の把握とパレット化推進の中期計画「ロードマップ2030」の策定を推進。8 月30日に韓国のソウルでAPSFが開催した直近の総会で、加盟10カ国中、欠席したインドとミャンマーを除く8カ国(日・中・韓、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)から約110人が出席し、各国の現場と2030年に向けた中期計画を発表した。

JPAは資料公表の背景について「各国の調査、報告内容は必ずしも同じレベルでの集約でなく、団体レベルでの概算を含む内容ではあるが、パレット普及度と課題を把握するには有効な資料と思われるため」と説明している。

上記の8カ国合算のパレット生産量は2022年度で5億2955万枚に上り、日中韓3カ国がその87%を占めた。生産総数は中国が全体の69.9%に相当する3億7000万枚で、日本(6060万枚、11.4%)、韓国(3254万枚、6.1%)、インドネシア(3056万枚、5.8%)などを大きく引き離した。

一方、国民1人当たりの枚数では、韓国が年間0.63枚でトップ。2位は日本で0.48枚、3位はマレーシアで0.35枚で、中国は4位(0.26枚)だった。

インドネシア(0.11枚)、フィリピン(0.07枚)、ベトナム(0.02枚)は普及の遅れが目立っており、JPAは「物流でのパレット利用の拡大余地が大きいことがうかがえる」と指摘した。

APSFは2007年以降、アジアの標準パレットを1100×1100㎜の11型、1200×1000㎜の12型に定めている。8カ国全体のパレット生産枚数に占める11型の割合は19.5%(1億325万枚)、12型は32.7%(1億7340万枚)だった。11型と12型で全体の5割を超えていることが分かる。

JPAは、生産数の少ない東南アジア各国でも11型と12型の標準パレットの合計比率は日本の31.7%、中国の52.0%、韓国の62.5%と比較してタイが96.8%、ベトナムが72.3%、フィリピンが60.0%、インドネシアが58.1%、マレーシアが55.1%と高くなっていると分析。

「数字は推定であり、初めてまとめた国も多いことを割り引いたとしても、パレッ
トの本格普及前に国を挙げてパレット標準化を進めている状況が理解できる」との期待を示した。


(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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