多量輸送事業化、新たな物流インフラの構築目指す
JR東日本とJR東日本物流は9月21日、新幹線を活用した高速・多量荷物輸送を通して物流の「2024年問題」やCO2排出量削減、地方創生といった社会的な課題解決に貢献するため、今年度3回目となるトライアルを実施すると発表した。
これまでのトライアルで得た知見を活かし、長野の新幹線車両基地では初めてとなる多量輸送トライアルを実施。約700箱の荷物を輸送する。
さらに、車両基地間の荷物輸送に加え、東京駅では過去最大となる約200箱の荷下ろしを行うとともに、一部荷物は東北エリアへ輸送する。今後の検証にもつなげるとともに、引き続き2024年度以降の多量輸送事業化を目指す。
トライアル概要
実施日:2023年9月28日(木)
輸送列車:北陸新幹線 臨時列車(12両編成)※一般座席販売は行わない
輸送区間:長野新幹線車両センター9:57発→東京駅11:44着/11:56発→東京新幹線車両センター12:08着
↘東京駅12:12発→仙台駅14:30着(やまびこ209号)
荷物搭載:〈長野~東京〉1、2、7~9号車(計5両) 〈東京~仙台〉 車内販売準備室
輸送商品:青果、食品、医療用医薬品、精密機器等 約700箱
※一部商品は途中駅で積み下ろしなども行う予定。搭載号車などは荷量により変更となる場合がある
輸送イメージ
トライアルにおける実証項目
(1)長野の新幹線車両基地での荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)の検証
車両基地を使用することで、従来の駅ホームでの作業に比べ、スペースと時間を十分に確保し、多量輸送を実現する。
(2)東京駅での安全に配慮した効率的な荷扱いおよび載せ替え輸送のオペレーション等の検証
本トライアルでは東京駅にて約200箱の荷下ろしを予定しており、客室輸送専用台車などを活用し、ホーム上の安全に配慮した効率的な荷扱いを確認する。さらに、東北新幹線を活用した載せ替え輸送も行い、オペレーションなどを検証する。
(3)東京の新幹線車両基地でのAGV(無人搬送車)の活用による荷扱い業務の省力化検証
1回目の新青森の新幹線車両基地でのトライアルでも検証したAGVを活用することで、人手不足を考慮した省力化を図る。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用