各工程に適切なタイミングで搬送物配置可能
フランスの電機大手シュナイダーエレクトリックの日本法人は10月5日、自動包装機械の開発・販売を手掛けるオリオン機械工業(神奈川県相模原市)が、自社開発する自動包装機械に、シュナイダーの次世代搬送システム「Lexium MC12(レクシウム エムシートゥエルブ)マルチキャリア」を世界初導入の1社として採用したと発表した。
オリオン機械工業は旧来、手作業による包装が必要だった日用品の包装工程の自動化を目指し、自動包装機の開発プロジェクトを展開。繊細かつ高速な動きが要求される包装のギミックを実現するため、リニアモーション技術を用いたシュナイダーの次世代搬送システムMC12の導入を決定した。
MC12は2021年に発売を正式発表した、リニアモーション技術を用いた搬送システム。列全体で動く従来のコンベア搬送と異なり、リニアモーターで駆動する複数のキャリアを高速かつ個別に独立制御し、移動させることが可能。各工程に適切なタイミングで搬送物を配置することができる。
複数キャリアを使ったカム構造で新しい動きを実現するなど、従来のコンベアでは不可能だった動きの実現にも寄与すると見込む。オリオン機械工業では、商品と包装資材を多列構成で並べ、それぞれに制御しタイミングを合わせて高速封入する装置を開発した。
(シュナイダーエレクトリック提供)
MC12の導入により、従来は人間の手作業で行っていた袋詰め工程を高速化・自動化し、省人化につながる包装機を完成させた。オリオン機械工業は今後もこうしたリニア搬送システムを活用した様々な装置開発で、これからもユーザーの期待に応えたいと強調している。
(藤原秀行)※いずれもシュナイダーエレクトリック提供