エアロネクストとセイノーHD、KDDIグループがモンゴルでドローン血液輸送実施

エアロネクストとセイノーHD、KDDIグループがモンゴルでドローン血液輸送実施

慢性的な渋滞や脆弱な道路インフラの克服目指す

エアロネクストとセイノーホールディングス(HD)、KDDIスマートドローンの3社は11月17日、モンゴルの投資会社Newcom Group(ニューコムグループ)と、11月13日にモンゴルのウランバートルで、国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の間の往復約9.5kmでドローンによる血液輸送の実証実験を行ったと発表した。

ウランバートルは標高1300mに位置している上、当日は外気温が-15℃という過酷な環境の下、日本の「レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」に相当する自動航行を実施、無事成功した。

今回の実証実験はモンゴル民間航空庁(MCAA)、ウランバートル市、土地測量地図庁、気象環境調査庁の支援・協力を得て実施した。MCAAから正式な許可承認を得た輸配送用途の飛行としては、モンゴルで初めてという。

ウランバートルは慢性的な渋滞や脆弱な道路インフラという課題を抱えており、ドローンでそうした課題を克服できる空のインフラを構築して迅速な医療体制の実現を図る。

実証実験は今年9月にウランバートルで開かれた「新スマート物流シンポジウム」で、モンゴルでドローンを活用した輸配送網構築、ドローンによる「新スマート物流」の社会実装の可能性検討に向け発足を発表した「モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループ」の活動の第一歩と位置付けている。


血液を載せて国立輸血センターの駐車場を離陸し飛行する物流専用ドローンAirTruck


ウランバートル市内を血液を載せて飛行する物流専用ドローンAirTruck


実証実験に使用した物流専用ドローンAirTruckを前にワーキンググループのメンバーとモンゴル国民間航空庁安全検査官Enkhbayar.D


当日のドローン配送の流れ


ドローン配送した血液と医療液が入ったAirTruck専用箱


看護師が見守る中、モンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の屋上に血液が入った箱が切り離され配送された様子


ドローン配送された箱を受け取り中の血液を確認するモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の看護師

(藤原秀行)※いずれも3社提供

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