【現地取材・動画】ヤマト初の貨物専用機“クロネコジェット”を公開

【現地取材・動画】ヤマト初の貨物専用機“クロネコジェット”を公開

「2024年問題」など考慮、24年4月11日運航スタート

ヤマトホールディングスと日本航空(JAL)は11月20日、成田空港のJAL格納庫で、ヤマトグループとして初めてとなる貨物専用機(フレイター)をメディアに公開した。全部で3機導入するうちの1号機で、機体と尾翼には遠くからでも目立つヤマトのマークが大きく描かれた“クロネコジェット”だ。

2024年4月11日に運航を開始する。まず成田~新千歳、成田~北九州、成田→那覇、那覇→北九州の4路線でスタートし、今夏ごろには羽田~新千歳、羽田~北九州を追加。3機を活用し、1日当たり21便を運航する計画だ。

トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴い、物流現場の混乱が懸念される「2024年問題」を踏まえ、ヤマトは最大搭載重量が28tで同社の10tトラック5~6台分に相当するフレイターを使って長距離輸送を効率化・迅速化し、ドライバーの負荷を減らして輸送網の持続可能性を高めたい考えだ。


お披露目したフレイター。ヤマトのマークがアクセントになって目を引く

フレイターはエアバスA321-200 P2F型機を芙蓉総合リースからヤマト運輸がリースで導入。旅客機を順次、シンガポールで貨物専用機に改修している。同型機のフレイターを導入するのは日本で初めてという。同じ小型機のB737-800 型機のフレイターより約20%多く貨物を搭載できる。

JALは航空機の整備などを手掛け、JALと中国の春秋航空が共同出資している格安航空会社(LCC)のスプリング・ジャパンが運航を担当する。フレイターは宅配の荷物などを取り扱う。


機内の様子


積み込み作業の様子

成田空港内で会見したヤマトHDの長尾裕社長は「陸のネットワークはこれからも成長できるものにしていこうと様々な取り組みを進めている。そこにフレイターが加わる。(JALやスプリング・ジャパンとの)チームワークでビジネスをより良いものにしていきたい」と強調。

JALの斎藤祐二専務執行役員は「グループの貨物事業のさらなる成長を実現していくことにチャレンジできる非常に良い機会だと考えている。持続的かつ高品質な物流ネットワークの構築にしっかり貢献していきたい」と意気込みを示した。

スプリング・ジャパンの米澤章社長は「LCCが貨物機を運航するのは日本で初めて。私たちにとっても大きな挑戦だが、社会にとって非常に意義のある事業だと思っているので、しっかりと担当させていただきたい」と述べた。


会見後の撮影に応じる(左から)JAL・斎藤氏、ヤマトHD・長尾氏、スプリング・ジャパン・米澤氏


駐機場にお目見えした機体


偶然?フレイター運航に携わる3社のヘッドマークがそろい踏み

(藤原秀行)

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