JILS・大橋会長、課題解決へ先端技術活動普及など推進継続を表明
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の大橋徹二会長(コマツ会長)は1月26日、年頭に当たって東京都内で記者会見し、2024年の活動目標などを語った。
この中で、「2024年問題」への対応が最重要課題となっている中、JILSとしては政府とも足並みをそろえ、荷主企業と物流事業者が連携して物流変革に取り組む環境の整備に引き続き注力するとのスタンスを明示した。
会見する大橋会長
大橋会長は、政府が2024年問題への対応として、一定規模以上の荷主企業や物流事業者に対して物流センターでのトラックの荷待ち時間短縮に取り組むよう法律で義務化するなど、規制強化を検討していることに言及。「これは現在の物流の問題を現場だけで解決するのはもはや不可能であり、より高い視座でロジスティクスやサプライチェーンを俯瞰した解決策を導き出すことが必要とされていると示した」と指摘、JILSとしても政府の対応に引き続き協力していく姿勢をアピールした。
「物流は商流の派生需要と言われ、商流(受発注)を前提として活動してきた。それゆえ、物流部門は商流に関わる調達や生産、営業、販売といった関連部署の個別最適を実現するための調整弁としての役割を担ってきた。その結果、しわ寄せを物流部門が甘受し続けたことが、非効率な商習慣が続いてしまった要因の1つと考える」と説明。
「今後は企業活動において、物が運べないことが大きなボトルネックになる懸念を踏まえ、商流と物流を一体のものとして設計しなおす必要がある。企業内の諸活動を統合管理するロジスティクスの実現に加え、個別企業の活動の前後工程を担う関係企業と連携、いわばサプライチェーンを通じた最適化を志向することが重要になっている」と述べ、JILSがこれまで展開してきたロジスティクスやSCMの普及を継続していく必要性をアピールした。
政府の要請に基づき、各種業界団体や企業が相次ぎ物流革新の自主行動計画を策定、23年12月末時点で100以上が公開していることを受け「産業界挙げての物流の持続性(向上)の取り組みが既に始まっている」と評価。JILSとしても、先端技術導入による自動化や標準化を通じてロジスティクスの革新と価値向上を進める「LX(ロジスティクストランスフォーメーション)」の実現などを図る意向をあらためて示した。
(藤原秀行)