大和ハウスとNTTコムが実証実験公開、25年度の実用化目指す
大和ハウス工業とNTTコミュニケーションズは3月18日、埼玉県久喜市で大和ハウスが開発した物流施設「DPL久喜宮代」で、ドローンを使って施設内設備の巡回点検業務を自動化・無人化する実証実験をメディアに公開した。
建物管理者の人手不足を踏まえ、同業務を効率化し、適切な管理を維持できるようにするのが狙い。実験ではドローンが物流施設内を飛行しながら共有部の壁などをリアルタイムで撮影、AIが画像から傷などの異常を判定できるかどうかチェックした。
大和ハウスは2025年度にドローンを生かした物流施設内の自動巡回点検業務を実用化し、自社で開発・運営している「DPL」ブランドの物流施設に順次導入していきたい考え。
要する時間の短縮などで巡回点検業務の負荷を3割減らせると見込んでおり、同業務のコスト低減で管理費用を抑制し、入居企業もメリットを得られるようにする。
投入しているドローンはGPSが使えない屋内の環境でも事前に設定したルートを飛行可能な米Skydio(スカイディオ)製の「skydio2+」。ドローンのカメラで撮影した画像をAIが随時チェックし、壁やポール、シャッターなどに傷や破損を見つければ建物管理者に警告を発することで迅速に修理や交換ができるようにする。
投入したドローン「skydio2+」
施設内を飛行して異常の有無を点検
大和ハウスとNTTコミュニケーションズは、ドローンは遠隔で操作することで、離れた場所から複数のドローンの画像を一元的に確認可能となり、巡回点検業務の大幅な効率化につながると想定している。
「DPL久喜宮代」内で記者会見した大和ハウスの石川一郎Dプロジェクト推進室物流DX推進グループ担当室長は「少し時間がかかるかもしれないが、将来は全ての施設を自動点検できるようにすることを目指す」と説明。巡回点検業務以外に警備などでも使えるようにしていきたいとの考えを示した。
NTTコミュニケーションズ関西支社の村川幸則第二ビジネスソリューション営業部門主査は「インターネットにさえつながっていれば遠隔で操作は可能」と利便性を強調した。
会見する大和ハウス・石川氏(左)とNTTコミュニケーションズ・村川氏
(藤原秀行)