三菱重工とキリングループ、入出庫やトラック荷積み・荷降ろしの自動化へ共同実証開始

三菱重工とキリングループ、入出庫やトラック荷積み・荷降ろしの自動化へ共同実証開始

26年3月までに完了予定、「2024年問題」対応図る

三菱重工業とキリングループのキリンビバレッジ、キリングループロジスティクスの3社は8月22日、飲料倉庫への入出庫およびトラック荷積み・荷降ろしの自動化に関する要素技術の確立を目的とする共同実証を8月に始めると発表した。

横浜・本牧で三菱重工が運営しているものづくりの共創空間「Yokohama Hardtech Hub(YHH)」内の実証施設「LogiQ X Lab(ロジックス・ラボ)」や、キリングループロジスティクスの拠点などで共同実証を展開、2026年3月までに完了する予定。

共同実証では、三菱重工グループが研究開発を進める独自の自動化・省人化技術「ΣSynX(シグマシンクス)」を適用した「かしこく・つなぐ」ソリューションの一環として、ΣSynXの搭載を目指して開発中の新型無人フォークリフトを活用し、倉庫作業での適切な荷揃え、配置替えや保管状況に応じた走行ルート変更、高効率の保管方法などといった、柔軟な自律運転や安全な人機協調作業を実現することを目指している。

共同実証を経て、将来はトラックの荷降ろしから倉庫内荷役、トラックへの荷積みに至るまでの一連の荷役作業を自動化することを視野に入れている。


ΣSynXを適用した「かしこく・つなぐ」ソリューションのイメージ(三菱重工業提供)

三菱重工はΣSynXを適用した「かしこく・つなぐ」ソリューションにより、オペレーターのノウハウや熟練技術によって安全かつ効率的に行われていた従来の物流倉庫作業を、「ピッキング」「入出庫」「トラック荷積み・荷降ろし」の3領域に分けて自律化・知能化する取り組みを順次進めている。

ピッキングに続いて、倉庫作業でも「かしこく・つなぐ」ソリューションの実装を進めようと開発、検証を推進する構え。

三菱重工とキリングループは、自動ピッキングに関する共同実証を2022年11月から2023年6月にかけて実施した。その結果、物流現場での実効性が確認できたため、24年12月よりキリングループの海老名物流センター(神奈川県海老名市)で「自動ピッキングソリューション」の稼働を開始する予定。

今回、新たな共同実証を両社で進め、「2024年問題」対策として求められている迅速な荷積み・荷降ろしを実現していきたい考え。

【共同実証の概要】
■期間
2024年8月~2026年3月

■実施場所
三菱重工 Yokohama Hardtech Hub(YHH)内実証施設「LogiQ X Lab」、神戸造船所内実証施設、キリングループロジスティクス 西名古屋支店、尼崎支店など

■実施内容
・入出庫ソリューションの導入を想定した、有人作業を含めた運用プロセスの導出
・トラックへの荷積み・荷降ろし用無人フォークリフト導入を想定した、有人作業を含めた運用プロセスの導出
・有人フォークリフトと無人フォークリフトの協働作業時における、安全に関する考え方、ルール、運用条件などの導出

(藤原秀行)

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