トルビズオンなど、DJI製ドローン「FlyCart30」用いた被災箇所復旧工事の物資搬送実験に成功

トルビズオンなど、DJI製ドローン「FlyCart30」用いた被災箇所復旧工事の物資搬送実験に成功

急傾斜地の効率的な輸送が可能に

大型物流ドローンの販売を手掛けるトルビズオンは9月11日、佐賀県唐津農林事務所、アイテム(佐賀県多久市)、セキド(東京都港区西新橋)の3者と共同で、8月28日に佐賀県唐津市で中国のドローン大手DJI製搬送ドローン「FlyCart30」を使用した傾斜地での効率的な資材運搬を実施、成功させたと発表した。

地震などの大規模災害が続発する中、被災箇所の復旧工事では急傾斜地や狭隘な場所での資材運搬が大きな課題となっている上、自然災害の激甚化・頻発化に伴い、迅速かつ効率的な復旧および物資輸送の必要性が高まっているのを考慮。

佐賀県唐津農林事務所が課題解決のため実証実験に踏み切った。災害時の迅速な復旧対応と効率的な復旧作業を目指す。

実験では、具体的に全長約200m、高低差約80mの急傾斜地に、合計重量約2.5tの資材を搬送するケースを想定。従来は多大な労力とコストが必要とされるこの作業に対し、FlyCart30を使用することで効率的な物資輸送が可能かどうか検証した。


作業現場までに危険な道のり

実証概要

(想定現場と搬送物の詳細)
工事内容: 法枠工・落石防止工・土留工
使用機材: DJI FlyCart30(大型物流ドローン)
合計搬送重量: 約2.5t
想定搬送回数: 63回(1回あたり約40kgと仮定)
被災延長: 約200m
高低差: 約80m

(役割分担)
主催: 佐賀県唐津農林事務所
プロジェクト管理: 株式会社アイテム
機体提供: 株式会社トルビズオン
オペレーター提供: 株式会社セキド

(今回の実験内容)
急傾斜地での資材運搬の効率化
作業員の安全性向上の確認

(今後の実験内容)
※建設業者や資材メーカーと開催予定
復旧工事期間の短縮とコスト削減の検証
交通インフラが破壊された状況下での効果的な物資輸送


現場では衛星通信のスターリンクを用いて電波確保


資材を搬送する機体と遠隔操作によるウィンチ降下

(藤原秀行)※いずれもトルビズオン提供

災害/事故/不祥事カテゴリの最新記事