準公道で走行試験に成功、雪国での配達員不足に対応目指す
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)と北海道大学は2月5日、雪の上を走行できる中速・中型自動配送ロボットを共同で開発したと発表した。準公道で走行試験を実施、成功したという。
両者は、走行試験は国内で初めてと説明している。
試験はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」にKCCSが採択された雪上走行技術開発の一環として実施している。
雪上を走行するロボット(KCCS提供)
日本では国土の約半分が豪雪地帯として指定され、積雪・降雪環境下における配送員不足などの物流問題が深刻化しているため、両者は積雪・降雪下でも走行できる技術が今後より必要になると想定。2022年度からKCCSと北大大学院工学研究院の江丸准教授が共同で取り組んできた。
走行試験は2月16日までの予定。北大構内の準公道を利用し、降雪時の雪粒を障害物と検知して自動制御で停車できるかどうかなどを確認している。
これまでの試験で、降雪量が1時間当たり約3cmの環境と除雪路で、時速10~15kmで安定走行することに成功した。
国内メーカーのミニカー規格車両をベースとして新たにKCCSが車体を自社で開発。走行環境に合わせた車体のチューニングや積載部分のカスタマイズを迅速に済ませられるようになったという。
ミニカー(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2.0m以下)に準じた大きさ。走行中は遠隔から監視者がモニタリングし、状況に応じて無人自動配送ロボットを遠隔操縦する。
(藤原秀行)