国内電力会社向けで初めて、海上輸送時の脱炭素化推進
日本郵船は2月10日、自社で所有し東北電力向けに運航している石炭専用船「能代丸」で、2月9日に国内電力会社向けの石炭専用船としては日本初となるバイオ燃料を使った試験航行を開始したと発表した。
バイオ燃料供給は、京浜地区で三菱商事エネルギーの協力を得て実施した。
バイオ燃料は廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料とし、燃焼時のCO2排出量は実質ゼロとみなされる。重油焚き船舶エンジンでも使用可能なため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期で温室効果ガスの排出を削減する有力な手段として海運業界の期待が高まっている。
バイオ燃料の使用による航行中の温室効果ガス排出量削減分は、荷主の貨物輸送によって生じる「Scope3」の排出量削減にもつなげられる。日本郵船は今後もバイオ燃料の採用を広げていく構え。
能代丸の全景
能代丸へのバイオ燃料供給作業の様子
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用