三菱HCキャピタル、北陸電気工業と組み「IoTフォークリフトサービス」開始

三菱HCキャピタル、北陸電気工業と組み「IoTフォークリフトサービス」開始

専用デバイスなど活用、運転中の事故抑制や運用効率化をサポート

三菱HCキャピタルと各種センサーなどを手掛ける北陸電気工業(富山市)は3月24日、「IoTフォークリフトサービス」の提供を共同で3月に開始したと発表した。

厚生労働省によれば、現場でフォークリフトが絡む事故が2010年以降、年間2000件前後で推移しており、近年は危険予測に長けたベテラン作業員の不足や運用効率化などの課題に直面している。

 
 

そのため、両社はフォークリフトの危険運転を検知したり、稼働状況を測定したりする車載器と、各データを分析・可視化する専用のソフトウェアを共同で開発してきた。

センシング機能に特化したフォークリフトの測定デバイスと専用のクラウドサーバー上でデータをリアルタイムに確認することが可能なソフトウェアをパッケージ化し、「IoTフォークリフトサービス」として提供。フォークリフトの運転中の事故防止対策や運用の効率化を後押しする。

新サービスはGNSS(衛星を活用した測位)機能と Bluetooth通信機能を搭載している測定デバイスをフォークリフトに取り付け、屋内外で「位置情報」を取得。併せて、内蔵の各種センサーを使
用して「危険運転操作情報」「稼働情報」を検知できるようにしている。

LTE(高速携帯電話)通信機能を搭載している測定デバイスで取得・検知したデータは、専用のクラウドサーバーに自動でアップロード。顧客は専用アカウントでアクセスし、リアルタイムに情報をつかめる。

独自のアルゴリズムで可視化したダッシュボードの「危険運転操作情報」は、急発進・急停止・急旋回・転倒・衝突検知と運行レポートの確認が可能で、オペレーターごとの運転報告書を提供する。

「稼働情報」は非稼働と実稼働の時間や稼働率測定に対応している。

 
 

測定デバイス概要

サイズ 91×109×38mm(突起部を除く)
重量 180g(付属品を除く)
対応電圧 9.5~60V
内蔵デバイス 加速度センサー、ジャイロセンサー、GNSS、SOSボタン、緊急停止ボタン
防水機能 IP67相当(各コネクタ接続面を除く)
給電方式 フォークリフトのバッテリーから直接給電
付属品 取付用ステーセット、GNSS アンテナ、電源ケーブル
オプション 固定ビーコン

フォークリフトのメーカーを問わず、容易にデバイスを設置できる。衝撃や転倒などの危険度の高い運転が検知された場合は管理者へメールで通知する機能も備えている。

ヒヤリハット事象を組織的に把握することで、タイムリーな安全運転指導として使用、安全で安心な職場環境の構築につなげられると見込む。

さらに、フォークリフトの稼働状況や動線のデータを把握することで、保有フォークリフトの最適な運用割り当てや適正台数を検討し、コスト削減を図ることも想定している。

測定デバイスをセンシングに特化することで低コストを実現し、三菱HCキャピタルは初期投資が不要なサブスクで「IoTフォークリフトサービス」を提供している。

今後、サービス提供を通して蓄積したデータや要望などは、サービス機能のアップデートなどに反映。将来は顧客のフォークリフトの適正台数分析、動線可視化による車両運用の効率化やレイアウトの見直し、無人搬送への代替など、物流倉庫や工場の最適化を後押しするソリューションを展開したい考え。

 
 

(藤原秀行)※いずれも三菱HCキャピタル提供

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