日新が米投資ファンド大手ベインキャピタルと組みMBOを正式発表、1000億円超の見通し★続報

日新が米投資ファンド大手ベインキャピタルと組みMBOを正式発表、1000億円超の見通し★続報

1株当たり8100円でTOB実施

日新と米投資ファンド大手のベインキャピタルは5月12日、両社で連携して日新のMBO(経営陣による買収)を実施、株式を非公開化すると正式発表した。

MBOの一環として、ベインが新たに設立した会社が5月13日から7月8日までの間、1株当たり8100円で日新にTOB(株式公開買い付け)を実施する。株式買い付けの下限は60.35%と設定している。ベインは最終的に日新の完全子会社化を目指す。

 
 

実現した場合、日新は東京証券取引所プライム市場への上場が廃止となる。

日新の創業家関係者らはTOBに応募することでベインと合意済みという。

日新が得意とする国際物流は、トランプ米大統領の関税引き上げなどで経営環境が大きく変動している上、業務の効率化やDXを図る必要性が高まっているのを考慮し、企業の成長支援で強みを持つベイングループの力を借りてMBOを実現、株式市場の動向に影響されず中長期的に経営強化を進められるようにしたい考え。

MBOで全株を取得する場合は1000億円以上を要するとみられる。

まずTOBなどを経て日新の株主をベイングループと、ENEOSや日新が主要株主を務め石油製品の卸販売などを手掛けている東証スタンダード市場上場の日新商事の2社のみにした上で、今年11月下旬から12月下旬をめどに、ベイングループのみ株式を保有する形に移行する。日新商事はTOBには応募しない。

また、日新創業家の資産管理会社などが、TOBを実施するベイングループの会社の親会社に出資、経営への関与を保つ。

 
 

日新は同日、TOBに賛同し、株主に応募を推奨すると発表した。MBO完了後も現在の筒井雅洋社長が引き続き経営に当たる予定。

ベインは1984年の設立以来、世界で約1450社以上に投資してきており、日本でもトランコムや日立金属、キリン堂ホールディングス、昭和飛行機工業などへの投資実績がある。新たに日新を傘下に収め、成長を後押ししたい考え。

(藤原秀行)

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