アスクル、定時株主総会で議決権行使を呼び掛け

アスクル、定時株主総会で議決権行使を呼び掛け

岩田氏続投などへの賛成票積み増し、ヤフーへの圧力掛ける狙いか

アスクルは7月25日、同社が8月2日に開く定時株主総会を前に、大株主のヤフーとプラスがアスクルの岩田彰一郎社長と独立社外取締役3人の再任反対の議決権を行使したことに関し、あらためて遺憾の意を示す声明を発表した。

その上で「当社の考えについて株主の皆さま、お取引先さまを含め大変多くの方からご理解とご支援のお声を頂戴している。あらためて、株主の皆様さまには定時株主総会における議決権をご行使いただき、そのご意思のご表明をいただきたい」と要請した。

ヤフーとプラスのアスクル持ち株比率を足すと5割を超えるため、定時株主総会で岩田社長と独立社外取締役3人が再任に賛成少数となり、退任に追い込まれるのが不可避な情勢。

ただ、アスクルとしてはヤフーとの資本・業務提携解消や岩田氏ら続投への賛同の声を少しでも多く集め、ヤフーサイドに圧力を掛けたい狙いとみられる。定時株主総会で実際にどの程度の反対票が投じられるかが注目される。

アスクルは声明で、「岩田社長のみならず、当社のガバナンス・システムの要である独立社外取締役全員に対してまで、当社が構築してきたガバナンスプロセスを否定し(ヤフーとプラスの)両社が共同してこのような行使に及んだことについて大変遺憾」と重ねて強い不満を表明。

「当社のガバナンスプロセスに従って株主の皆さまにご提案した岩田社長、(独立社外取締役の)戸田一雄氏、宮田秀明氏、斉藤惇氏はいずれも当社の経営に深い理解を有するとともに、独立社外取締役に関しては独立性の条件も満たし、当社の取締役として求められる資質を備えていると考えている」と強調した。

(藤原秀行)

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