【現地取材】支線配送の共同化目指す荷主コンソーシアム「CODE」が本格始動

【現地取材】支線配送の共同化目指す荷主コンソーシアム「CODE」が本格始動

異業種9社の物流データ集約、最適な組み合わせを検討

花王や三菱食品など異業種の荷主企業が結束し、物流拠点から店舗や納品先まで届ける「支線配送」の効率化を目指すコンソーシアム(任意団体)「CODE」(Cargo Owners’ Data-driven Ecosystem、カーゴ・オーナーズ・データドリブン・エコシステム)は5月7日、東京都内で参加企業の代表による初の会合を開き、活動を本格的に始動させた。

CODEは両社が幹事を務め、旭食品、あらた、トーハン、日本出版販売、PALTAC、三井物産流通グループ、メディセオも加わった計9社でスタート。共同配送が進む長距離の幹線輸送に比べ、企業間で配送条件の違いが大きく共同化を検討しづらい支線配送で異業種の企業がタッグを組み、配送車両をより有効に活用できるようにしたい考え。



4月1日に完全施行された改正物流効率化法で、一定規模以上の荷主が荷積み・荷役時間の短縮や積載効率の向上に資する改善計画の策定と進捗状況の国への報告を義務付けられたことを念頭に置き、異業種同士で協力して積載効率の改善を目指す狙いもある。

初会合には9社の物流担当幹部らと、オブザーバーとして国土交通、経済産業、農林水産の3省幹部が出席。「物流2024年問題」やトラックドライバー不足など物流業界が抱える課題の解決に向け、支線配送の領域を対象に、参加企業間で輸配送のデータを共有、車両の有効活用を促進していく方針をあらためて確認した。コンソーシアムは法人化することも検討する。

併せて、今後のスケジュールとして、担当者による事務定例会を月1回程度、代表者会議を半年に1回程度それぞれ開催し、共同配送の検討と成果の共有を図ることを確認。5月以降、参加各社のデータを集めて分析し、配送コースの最適な共有パターンを検討、2026年の下期以降、具体的な事例を積み上げていくことを目指す方向性も打ち出した。

CODEは他の荷主企業にもコンソーシアムへの参加を呼び掛けるほか、将来は混載による共同配送の開始も視野に入れている。


会合の様子


会合後の撮影に応じる出席者



会合の冒頭、花王の物流統括責任者を務める森信介執行役員ロジスティクス部門統括CLO(最高ロジスティクス責任者)は「もはや物流の課題は一企業や一業界で解決できるフェーズは去ったと思う。幹線領域は共同輸送プラットフォームなどがいろいろと立ち上がっており、それなりに成果も出ているが、もっと細分化されて複雑でいろいろな課題を含む配送領域で共同化に挑む。各社がこれまで蓄積されてきた物流のデータをぜひ掛け合わせて、課題にチャレンジしていきたい」と語った。

三菱食品の田村幸士取締役常務執行役員SCM統括兼CLOは「荷主企業自らが主体的、能動的に何かアクションを起こしていかないとこの状況は克服できない。CODEはデジタルとデータという力を借りて(解決を)成し遂げようとしている同士企業の集合体と理解している。フィジカルインターネット時代が到来しつつあるのを見据え、今物流の現場にいるわれわれができることは何なのかということを考えた時に、あえてこの難しい課題に挑んでいきたいと考えている」と述べた。


会合の冒頭、発言する森氏(上)と田村氏

CODEは、クラウドのデータ管理システムを活用し、参加各社の支線配送に関するルートや回数などのデータを収集・分析。ある企業が店舗や納品先に商品を届けた後、帰り便のトラック荷台の空きスペースを使って別の企業が荷物を積載、他の店舗に配送するなど、積載効率の向上につながる共同配送の最適な組み合わせを選択できるようにすることを想定している。

データに関しては、運賃など各社の経営に深く関する情報は開示せず、配送ルートや回数といった共同配送のマッチングに資するものに限定して提供してもらうことを想定している。各社のデータの様式を統一してより収集・分析しやすくすることも念頭に置いている。

会合終了後、メディア各社の共同取材に応じた花王の森氏は「いきなり混載という難しいところに行くよりも、まず車両の融通から入って実績を積んでいく方がいいと考えている。混載は第2段階というフェーズを踏むことを考えている」と説明。



参加メンバーを当初、荷主に限定していることについては「まずは荷主側で結果を出したい。中間流通のところで結果を出し、その先には当然、物流事業者さんと取り組むということは方向性としてあると思う」との考えを示した。

三菱食品の田村氏は「幹線輸送は車両の大型化など結構打ち手があるが、支線配送は今ある枠のキャパシティーを120%活用していくとなれば共同化しかない。積載効率を上げていくのは荷主自身が取り組むのが一番効果的だろうと思っている」と強調した。

同社の白石豊執行役員ロジスティクス本部長は、CODEの活動を通じ、トラックの稼働率を上げることで運送事業者の収入増につなげることも重視していきたいとの見解を表明した。

(藤原秀行)

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