弁護士ドットコム調査、「本来業務に遅れ」も多数
弁護士ドットコムは6月18日、改正物流総合効率化法、貨物自動車運送事業法(トラック新法)、取適法(中小受託取引適正化法)の成立・施行に伴い、書面交付義務の強化や適正原価に基づく取引の義務化など契約業務に直結する対応が求められているのを踏まえ、「物流業界における法改正対応・契約業務の実態調査」の結果を公表した。
荷主・運送事業者・倉庫業者など物流業界に従事する担当者208人を対象に実施した。
| 法改正に伴う事務作業量の変化 | 約9割が事務作業量が「増えた」と回答 |
| 事務作業の増加に起因する業務遅延の発生有無 | 約8割が「本来業務が遅れた経験がある」と回答 |
| 契約・発注業務における法改正以前の商慣習が残る実態 | 半数以上(52.9%)が「契約書を後付け(バックデート=契約書の締結日を、実際に署名・押印した日より前の日付にさかのぼって記載すること)で締結することがある」と回答 |
| 商慣習における個人の意識 | 約8割がリスクや問題を「感じている」と回答 |
上記の3つの法改正で事務作業量がどう変化したかを尋ねたところ(n=208)、「増えた(大幅に増えた・増えた・やや増えた)」と回答したのは全体の87.0%に達した。そのうち「大幅に増えた」は25.5%で、4人に1人が大幅に負担が増したと感じていることが分かった。
事務作業の増加が原因で本来業務が遅れた経験が「ある(頻繁にある・ときどきある)」と答えたのは80.7%に上り、同社は事務作業の負担が現場の生産性を下げている状況が確認できたとみている。
業種別に事務負担が増えた業務を尋ねたところ、「発注書・契約書のフォーマット見直しと締結・保存」が荷主側は36.3)、運送事業者側は27.7%で、特に負担が増えた業務として契約業務が挙がった。
負担の重い契約業務について、実際に契約締結(押印・郵送往復を含む)に要する時間を聞いた結果、「4週間以内」が23.6%、「1ヶ月超」が3.8%で合わせて27.4%が、締結までに1カ月近くを要していることが分かった。
同社はその背景として「契約のやり取りが今も押印・郵送・対面を前提としている業務フローがある」と推測している。
業務フローの中で、契約・発注業務の実態について尋ねたところ、「契約書を後付け(バックデート)で締結することがある」が52.9%で最も多かった。
さらに、「契約なしで取引継続」が38.9%、「契約書の保管場所がすぐに確認できない」が35.1%と続いた。同社は法改正で書面化が求められる中、現場ではこうした法改正以前の商慣習が根強く残っている実態が明らかになったとみている。
「上記のいずれにも当てはまらない」「答えられない」と回答した人以外に、こうした商慣習に対してリスクや問題を感じているか尋ねたところ、84.5%が「感じている(強く感じている・やや感じている)」を選択した。
■調査概要
調査機関:自社調査
調査方法:物流業界における契約業務担当者を対象にウェブアンケートを実施
調査対象:物流業界(荷主企業・貨物利用運送事業者・貨物自動車運送事業者・倉庫業者等)に勤務し、契約業務に関わる担当者208人
調査期間:2026年5月20~27日
(藤原秀行)※いずれも弁護士ドットコム提供
調査結果はコチラから(同社ウェブサイト、氏名などの入力が必要)















