【熊本地震】各地で工場や小売店舗の営業停止、港湾に被害も

【熊本地震】各地で工場や小売店舗の営業停止、港湾に被害も

自動車などのサプライチェーン混乱長期化の恐れ

7月28日に発生した「令和8年熊本地震」の影響で、熊本県内の各地で工場が操業停止に追い込まれている。半導体などの製造を担っていただけに、自動車メーカーなどのサプライチェーンの混乱が長期化する恐れも出ている。港湾もダメージを受けており、入出荷に影響が生じる可能性がある。

ソニーグループのソニーセミコンダクタマニュファクチャリングは地震発生直後、産業機器や車載機器用の画像センサーの生産を手掛ける「熊本テクノロジーセンター」(菊陽町)の稼働を止めた。被害状況を確認しており、7月29日夜の時点でも稼働再開の見通しは明らかになっていない。

ルネサスエレクトロニクスも、車載半導体などを担っている川尻工場(熊本市)と錦工場(錦町)の両拠点で操業を7月28日に停止した。壁面のひび割れや天井パネルの落下、漏水といった被害が出ている。ただ、クリーンルームの環境は維持できているという。

台湾の半導体受託製造大手TSMC(台湾積体電路製造)の熊本工場(菊陽町)も地震発生後、操業が一時中断に追い込まれたものの、台湾メディアの報道などによれば、徐々に通常の操業へ回復しつつあるという。

トヨタ自動車は福岡県内で高級車「レクサス」の生産を担う宮田工場(宮若市)など3工場の操業を7月31日まで止める方針を決めた。

ホンダも地震が起きた7月28日の夕方以降、二輪車などを手掛ける熊本製作所(大津町)で従業員の安全確保や設備の状況確認のため、稼働をストップ。工場内の一部復旧作業を進めるため、7月31日まで稼働停止を続ける予定。

日本製紙の八代工場(八代市)は煙突の一部が折れて倒壊したため操業をストップ。建屋内に11人が閉じ込められ、このうち7人が救助されたものの5人が亡くなった。残る4人の安否は不明で、消防などが捜索を継続している。同工場は新聞用紙などを年間約30万t製造している。復旧には相当の時間を要する公算が大きくなっている。

国土交通省によると、八代市の八代港で、くまモンポート・コンテナターミナルの岸壁エプロンなどに被害が発生したほか、岸壁背後に段差、液状化、陥没などが起きているのを確認している。半導体関連の荷物の受け入れ拠点だっただけに、製造業への影響が避けられない。

一方、小売業も混乱が続いている。食品スーパーのイズミは熊本県内でショッピングセンター「ゆめタウン」5店舗、食品スーパー「ゆめマート」27店舗、「サニー」3店舗の計 35 店舗を展開している。一部で外装や内装に損傷などの被害が生じている。7月29日時点で全店舗が休業しており、今後は順次営業を再開させていく予定だ。

家電量販大手のケーズホールディングスは熊本県内の宇土店、八代店の2店舗が休業中。同社は「復旧までには時間を要する見込み」と説明している。

イオン九州は自社と子会社のイオンウエルシア九州が運営している店舗として、総合スーパー4店舗(イオンモールにテナントとして入居する2店舗含む)、スーパー6店舗、ディスカウントストア3店舗、 ホームセンター1店舗、総合スーパー内に出店しているサイクル専門店3店を展開。配管の破損や天井ボードの落下、商品の破損といった被害が出ている。

セブン―イレブンなどの主要コンビニも熊本県内の一部店舗で営業をストップするなど、地震の影響を受けている。

(藤原秀行)

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