地域の「空のインフラ」として運用目指す
ヤマタネとエアロネクストの両社は8月27日、AIとドローン遠隔運航技術を活用した次世代農業オペレーションの社会実装に向け、8月24日付で業務提携契約を締結したと発表した。
両社は農業現場が抱える担い手不足や高齢化、作業負担といった課題の解決に共同で取り組み、持続可能な営農を支え、将来はドローンを農業・物流・防災など複数の用途に活用できる地域の「空のインフラ」として運用することを目指す。

ヤマタネは2024年4月、主に物流領域のソリューション展開を見据え、エアロネクストに出資。ドローンの活用領域の拡大を検討してきた。
今年5月にはエアロネクストが物流分野で積み上げてきたドローン運航ノウハウと同時複数機運航を中心としたビジネスソリューションについて、農薬散布や圃場管理をはじめとする農業現場への展開が期待できると判断、追加出資していた。
農業の領域で農薬散布などにドローンを投入する動きが広がっているが、機体導入コスト、操作や各種手続きの難しさ、作業受託ニーズに対するオペレーター(操縦士)不足といった課題がボトルネックになっている。
そうした点を克服するため、両社は「現地作業」と「操縦・運航」を分離した、新たな農業ドローンオペレーションモデルを共同で構築することを目指す。
具体的には、農業現場では農薬やバッテリーの交換、機体の点検など、飛行に必要な現地作業のみを行う一方、飛行計画の作成、操縦、遠隔監視、運航管理などは、遠隔地のオペレーションセンターから実施することを想定。農業現場における操縦者確保の負担を軽減するとともに、運航業務の集約・標準化を通じて、安全性とサービス品質の向上を図る。

また、エアロネクストが開発を進める同時遠隔自動操縦オペレーション技術を活用し、1人のオペレーターが複数のドローンを同時に管理・運航する「1対多」の運航モデルの実現を念頭に置いている。
オペレーター1人当たりの運航可能機体数を増やすことで、操縦・運航に必要な人員を削減し、農業ドローンサービスの運営コスト低減につなげることを想定している。
耕作面積に応じた利用しやすい価格で、安定したサービスを提供できる事業モデルの構築につなげる。
さらに、ヤマタネの取引先をはじめとする農業現場で、農薬散布などを対象とした実証を展開。現地作業と遠隔運航の役割分担、運航体制、安全性、作業効率、コストなどを検証し、成果を踏まえて、全国の農業サービス事業者、農業法人、作業受託事業者などに利用を働き掛ける。
両社は農薬散布にとどまらず、生育状況の把握や圃場管理など、AIを活用した営農支援サービスも実現したい考え。
また、実証や運用を通じて蓄積する飛行データ、作業データおよび圃場データなどを活用し、飛行・運航の効率化や農作業の最適化につながる機能の開発を進める。加えて、散布、センシング、圃場管理など、複数の農作業に活用できる機体およびサービスの共同開発・運用についても検討する。
(藤原秀行)※いずれも両社提供









