安定供給と食料備蓄強化を並立目指す
日本テトラパックは8月28日、熊本県酪農業協同組合連合会(熊本市、らくのうマザーズ)と沖縄県竹富町で、常温で長期保存可能なロングライフ牛乳を活用した学校給食向けローリングストック運用(普段食べている食品や使っている日用品を少し多めに買い置きし、消費した分だけ新しく買い足すことで常に一定量を備蓄しておける手法)の実証実験を8月27日に始めたと発表した。
学校給食で使用する牛乳について、従来のチルド牛乳による運用を基本としながら、長持ちするロングライフ牛乳を一定量備蓄し、両者を組み合わせて活用。物流停滞や災害などの有事でチルド牛乳の供給が困難となった場合に、ロングライフ牛乳を給食の牛乳として飲用するほか、町民向けの食料備蓄としても活用し、学校給食用牛乳の安定供給と、地域の防災備蓄体制強化を図る。
日本テトラパックは、学校給食でチルド牛乳とロングライフ牛乳を併用したローリングストック運用を実証する取り組みは国内で初めてと説明している。

ロングライフ牛乳寄贈式に参加した(左から)らくのうマザーズの清塘輝彦営業課長、竹富町の前泊正人町長、日本テトラパックの鍜治葉子執行役員マーケティングディレクター
竹富町の学校給食は主にチルド牛乳が船便により定期的に供給されているが、台風やしけによる船舶の欠航が発生すると、学校給食用牛乳をはじめとする食材の輸送に影響が生じることから、子どもたちに必要な栄養を安定的に届けることが課題になっている。
竹富町は西表島をはじめとする9つの有人島と7つの無人島で構成されており、島ごとに物流環境が異なるため、船舶の欠航状況にも差がある。竹富町が調査した欠航率の高い航路の運航実績によると、2025年9月~26年2月の6カ月間における欠航日数は、波照間島で30日(欠航日率17%)、鳩間島で105日(同58%)に上った。
さらに、物流の停滞は学校給食への影響だけでなく、災害時や悪天候時における町民向けの食料確保という観点からも対応が急務となっており、実証に踏み切った。

ローリングストック運用のイメージ図(チルド牛乳による通常の給食運用と、ロングライフ牛乳による備蓄・非常時運用を組み合わせた運用モデル)
賞味期限が近づいた際には給食での利用や自治体の施設などでの飲用に活用し、使用した分を補充することで、食品ロスを抑えながら備蓄を維持する。新たな運用を通じて、「使いながら備える」防災モデルの有効性を検証する。
日本テトラパックは竹富町に、らくのうマザーズのロングライフ牛乳「大阿蘇牛乳(200ml)」計7560本を寄贈し、らくのうマザーズは各島への輸送にかかる費用を負担する。
沖縄県では県内牛乳消費に対して県内の生乳で賄うことが難しく、本土からの供給が重要な役割を担っている。らくのうマザーズは、九州最大の生乳生産地である熊本県を拠点に、これまでも沖縄県への牛乳供給を支えてきており、竹富町が抱える学校給食用牛乳の安定供給や離島物流の課題に共感、実証に参画している。
■ 実証内容
・実施期間:2026年8月27日〜2027年2月中旬(予定)
・対 象:竹富町内の全小・中学校(全12校)
・寄贈品: ロングライフ牛乳「大阿蘇牛乳(200ml)」(らくのうマザーズ)
・寄贈本数:計7,560本(2,520本/パレット×3回に分けて輸送予定)
・備蓄拠点:竹富町内の小・中学校、学校給食調理場、竹富町役場
・検証項目:在庫運用・賞味期限管理の効率、現場の作業負荷、在庫配置の適正数、欠航時の給食利用状況、物流停滞時・災害時における備蓄活用状況 など

(左)竹富町実証実験におけるロングライフ牛乳の輸送ルートおよび備蓄拠点、(右)本実証で使用するロングライフ牛乳「大阿蘇牛乳(200ml)」(らくのうマザーズ)
(藤原秀行)※いずれも日本テトラパック提供









