改正物効法施行から半年:特定荷主で「荷待ち」改善は5割超、「荷役」も5割弱

改正物効法施行から半年:特定荷主で「荷待ち」改善は5割超、「荷役」も5割弱

Hacobuが101人対象調査、「積載効率」は変わらないが4割で開きも

Hacobuは10月29日、全国の特定荷主企業に勤務する101人を対象に、CLO(最高物流責任者)の選任状況と物流改革の進捗に関する実態調査結果を公表した。

CLOを「選任済み」または「選任予定」と回答した割合は77.2%で、同一の抽出条件で実施した今年2月調査(76.2%)と同水準だった。ただ、その内訳は「選任済み」が30.7%から67.3%へ2倍強の水準に高まっており、HacobuはCLOの設置が進んだとみている。

その一方、物流改革の進捗は「法令対応」「現状把握」「戦略策定」の準備段階が計69.3%を占め、定量成果を確認できている回答者は11.9%にとどまった。

Hacobuは「CLOの設置が進んだ今、論点は『設置』から『実行』へ移っており、計画を実行に移し、全社的な成果につなげていくことが次のテーマになりそう」と指摘している。

政府が今年4月に全面施行した改正物流効率化法は、一定規模以上の荷主企業(特定荷主)に物流統括管理者の選任と、荷待ち時間・荷役時間の削減や積載効率の向上に関する中長期計画の作成・提出を義務付けている。

調査は制度施行から約半年が経過した今、物流変革を率いる役割のCLOの選任がどこまで進んだのか、物流改革の課題は何かを明らかにするため、調査を実施した。期間は10月2~16日。

なお、法律上の名称は「物流統括管理者」となっており、CLOを物流統括管理者とは定義しておらず、CLOイコール物流統括管理者ではないが、Hacobuは「企業において物流全体に経営責任を持つ役割を象徴する概念として、CLOという呼称も併用している」と説明している。

企業には、特定荷主の届出後、速やかに物流統括管理者を選任することが求められている。調査はCLOの選任状況を聞いたところ、「選任済み」が67.3%、「選任予定」が9.9%、「未選任」が6.9%、「分からない」が15.8%となった。今年2月の調査(回答者は今回と異なる)は「選任済み」が30.7%、「選任予定」が45.5%となっており、Hacobuは「選任予定」から「選任済み」への移行が進んだとみている。

一方で、選任状況を「分からない」と回答した人が15.8%存在しており、Hacobuは「CLOの選任が社内に十分に共有されていない企業が一定数ある」と推察している。

CLOを「選任済み」と回答した回答者(n=68)におけるCLOの属性は、「従来の物流部門のトップ」が45.6%で最も多く、「経営企画などの全社横断部門の役員クラス」が22.1%、「主力事業のトップ」が20.6%、「社長、副社長」が5.9%と続いた。Hacobuは「各社の状況に応じて、さまざまな出自のCLOが生まれつつあることがうかがえる」と分析している。

物流改革全体の進捗状況を聞いたところ、「CLOの選任や中長期計画の作成・提出など、法令対応を中心に進めている」が26.7%で最も多く、「物流の現状把握・データ収集を進めている」が21.8%、「課題を整理し、改革戦略・ロードマップを策定している」が20.8%だった。

「まだ具体的に着手していない」は8.9%、「施策を実行しているが、定量成果はまだ確認できていない」は5.0%となった。

定量成果を確認できている回答者は「一部の拠点・テーマで」が5.0%、「複数の拠点・部門で」が1.0%、「全社的に」が5.9%の合計11.9%。Hacobuは制度施行から半年で「多くの特定荷主は法令対応と、現状把握・戦略策定といった改革の準備段階にあり、成果創出に向けた施策の実行はこれからであることが分かる」と解説している。

4月以降の現場指標の変化を聞いたところ、荷待ち時間は「改善した」が13.9%、「やや改善した」が42.6%の合計56.4%で、過半数が何らかの改善を実感していた。荷役時間は「改善した」が9.9%、「やや改善した」が39.6%の合計49.5%だった。

一方、積載効率は「改善した」が6.9%、「やや改善した」が31.7%の合計38.6%で、「変わらない」が42.6%と最も多かった。Hacobuは「荷待ち時間は入出荷予約や時間指定など拠点ごとの運用改善で効果が表れやすい一方、積載効率は出荷ロットや納品回数など取引先を含めた見直しを要するため、改善に時間がかかっていると考えられる」と。なお、いずれの指標でも「測定していない・判断できない」が14.9%~16.8%存在した。

物流コストについては「上昇した」が18.8%、「やや上昇した」が29.7%、「変わらない」が22.8%、「やや低下した」が8.9%、「低下した」が5.0%、「比較できない・把握していない」が14.9%。

次の半年で最も注力する物流改革領域を聞いたところ、「法令への確実な対応」が28.7%でトップ。次いで「データ・IT・AI基盤の整備と活用」(14.9%)、「データに基づいた物流の現状把握」(12.9%)とデータ関連の領域が合計27.7%を占め、「物流コストの最適化」(11.9%)、「荷待ち時間削減など、現場オペレーションの生産性向上」(10.9%)が続いた。

Hacobuは多くの回答者が制度対応と現状把握の段階にある中、次の半年の注力領域としても「法令対応」と「データ」が上位を占めたことを踏まえ、「物流改革の前提となるデータ基盤の整備を優先する回答者が多いことが分かる」との見解を示している。

調査概要
タイトル:CLO設置と取り組みに関する実態調査
主体:株式会社Hacobu
期間:2026年10月2~16日
有効回答数:101名調査手法:全国の特定荷主企業を対象に、Hacobuが保有する企業ネットワークを通じてインターネット調査を実施
調査対象:従業員数1000名以上の荷主企業(物流子会社を含む)に勤務する人。グループ会社勤務の場合はグループ全体の従業員数で判断。回答者357名のうち、自社が「特定荷主」に該当すると回答した101名を分析対象とした
比較対象:2026年2月調査(2026年1月27日~2月6日、有効回答数101名、同一の抽出条件。回答者は異なる)
※図表の構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある

(藤原秀行)※いずれもHacobu提供

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