三菱倉庫・斉藤社長、阪急阪神エクスプレス買収「グローバルのプラットフォーマーに進化」

三菱倉庫・斉藤社長、阪急阪神エクスプレス買収「グローバルのプラットフォーマーに進化」

会見で狙いを説明、医療・ヘルスケアや半導体などの分野成長に期待

三菱倉庫の斉藤秀親社長は11月2日、東京・霞が関の国土交通省内で記者会見し、同社が阪急阪神エクスプレスを買収する方針を発表したことに関連し、その狙いなどを説明した。

斉藤社長は買収について、「大きく変化する事業環境の中で、三菱倉庫を次のステージへ進化させるための戦略投資」と位置付けていることを強調。フォワーダーの阪急阪神エクスプレスをグループに迎え入れることで、三菱倉庫が注力している医療・ヘルスケア、半導体、自動車・機械・電機といった分野で付加価値の高い物流サービスを提供できるようになるとメリットを強調、事業成長に期待をのぞかせた。

その上で「トータルロジスティクスサービスの強化と海外事業の成長を加速させ、資本効率と企業価値の向上につなげる。国内物流を中心とした事業構造から、グローバルでサプライチェーンを支え続けるプラットフォーマーへ進化していく」との決意を示した。

三菱倉庫は10月30日、約1200億円を投じ、2027年3月までに阪急阪神エクスプレスの全株を取得、完全子会社化する方針を開示していた。

斉藤社長は現状、顧客からサプライチェーン全体を最適化・強靭化し、安定性を支え続けることが強く求められていることに言及。「サプライチェーン全体を包括的に支えるためには、当社のサービス領域で拡充すべき重要な要素があった。それが『航空輸送の専門性』と『グローバルネットワーク』だ。両者でともに変革と非連続な成長を成し遂げ、日本の産業界の発展を物流で力強く支える価値ある企業になりたい」と買収の狙いを語った。

阪急阪神エクスプレスの買収で、フォワーディング事業の売上高は2社の単純合算で約1688億円に達し、国内第4位の規模に浮上するとの見通しを明らかにするとともに、三菱倉庫グループの海外売上高比率は、単純合算で現在の約20%から約31%へ拡大するとの見通しを提示。

同時に「順位や規模の拡大そのものが本質的な目的ではない。1+1を2にとどめず、それ以上の相乗効果、新たな社会価値を生み出していくことが本件の狙いだ」と真意を訴えた。

今後の展開に関し、買収完了から3年をめどに、単体でEPS(1株当たり純利益)へのプラス寄与を目指すとの方針をあらためて公表。中長期的にはROIC(投下資本利益率)が資本コストを安定して上回る水準の達成を目標に掲げるとともに、今期(27年3月期)末をめどにPMI(買収後の統合作業)の具体的な体制、施策、主要KPI(重要業績評価指標)、目標値を整理して提示することを明言した。

斉藤社長は「その進捗についても市場へ定期的に開示する」と語った。

阪急阪神エクスプレスの営業利益が近年、悪化していた点に関しては「一時的な要因が影響していたが、ほぼ解消されており、今後は新たな成長に向かう段階にあるとみている」と話し、前向きな見方を示した。

(藤原秀行)

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