ミスミグループ本社が次世代基幹システムのグローバル展開完了、部品類大口注文の見積もり・調達が数分で可能に

ミスミグループ本社が次世代基幹システムのグローバル展開完了、部品類大口注文の見積もり・調達が数分で可能に

顧客体験の飛躍的向上図る

ミスミグループ本社は11月4日、2020年に開発を開始し、約6年をかけて全面刷新した次世代基幹システム「NEWTON」(ニューロン)に関して、今年9月にグローバル全13カ国・地域の現地法人への導入が完了したと発表した。

これまで数日から数週間を要していた部品類の大口注文の見積もり・調達が数分程度でオンライン完結するなど、顧客の調達業務における時間的負担の軽減や社内業務の効率化が期待できるという。

新システムは、AIエージェントによる自動調達など将来の拡張にも対応できる技術基盤として位置付けている。

NEWTONは機能を柔軟に組み合わせられるマイクロサービス構造を採用し、外部システムやAIエージェントとも安全にAPI接続できる高い拡張性を持たせている。

サプライヤーの在庫情報を統合・可視化するD-JIT(ディージット)がグローバルで運用できるようになるとともに、納期割引など新サービスの導入も迅速かつ容易となると見込む。

D-JITは、グローバル800社以上のサプライヤー在庫とミスミの生産能力をリアルタイムで統合し、機械部品などの生産間接材の複雑な注文をワンクリックで可能にしたサービス。2024年4月に日本で本格運用を開始した。

ミスミは、製造現場で必要とされる機械部品から工具・消耗品まで、4000万点に及ぶ品ぞろえと800垓のバリエーションを展開している。事業拡大に伴う急激な品ぞろえの拡大は、旧来の基幹システムにとって大きな負荷となり、新機能の開発速度を制約する要因になっていた。

そのため、今後の事業拡大に向けた開発スピードの加速と顧客体験の向上を経営課題と位置付け、20年より開発を開始し、約6年をかけて基幹システムの全面刷新にこぎ着けた。単なる「システム刷新(守り)」ではなく、顧客の「待ち時間」を限りなくゼロに近づける「攻めの事業基盤」への転換を図ると強調している。

数千点に及ぶ複雑な大口注文は、これまで在庫のかき集めや見積もりに数日から数週間を要していた。NEWTONの導入により、D-JITを通じて在庫の所在地を意識することなく、ECサイト上で瞬時に納期回答を得られるようになった。

併せて、AIチャットサービスとNEWTONのAPI連携により、発注後の変更・キャンセルも24時間365日、顧客自身がストレスフリーで自己解決できる環境を整備。待ち時間は85%減少、回答数は2.5倍、有人対応が必要なチャット件数は半減し、顧客体験と生産性の双方が飛躍的に向上しているという。

また、NEWTONは顧客体験の向上だけでなく、ミスミの経営にも明確な効果を生んでおり、開発スピードは3倍、開発コストは3分の1となり、今後の事業拡大や地域への個別対応へも柔軟かつスピーディーに対応できるようになったと成果を強調している。

「品ぞろえを増やすほど納期が遅れる」という製造業の常識的なトレードオフを打ち破るため、ミスミは業務とシステムの両方を極限までシンプルにするという発想で開発に注力。変更に時間を要する旧来の一枚岩(モノリシック)なシステムから、コア(SAP)を中心に、独立した小さな機能群(マイクロサービス)が周囲を取り囲み、外部システムと自在につながる「開かれた神経網(APIハブ)」型のアーキテクチャーへ移行した。

外部システムとの柔軟なAPI接続機能を活用し、ミスミの商品データベースを社外の生産管理システムとつなぐことで、購買DXを推進。これまで情報の「行ったり来たり」が多かった見積もり・注文・納品情報の取得などのプロセスを生産管理システム上で完結できるため、購買部門の生産性向上が見込めるとPRしている。


海外展開スケジュール(いずれもミスミグループ本社提供)

(藤原秀行)

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