【独自取材、動画】ナイキの基幹倉庫、ロボット200台超でスピード入出荷実現

【独自取材、動画】ナイキの基幹倉庫、ロボット200台超でスピード入出荷実現

「D2C」取扱量急拡大の救世主に、大和ハウスとアッカが運営サポート

※本文中、「最大10万点保管」としたのは「最大100万点保管」の誤りでした。関係各位に深くおわび申し上げます。

大和ハウス工業と傘下でEC事業者向けフルフィルメント・サービスなどを手掛けるアッカ・インターナショナルはこのほど、運営をサポートしている米スポーツ用品大手ナイキの国内基幹物流センター「The DUNK(ザ・ダンク)」をロジビズ・オンラインなど一部メディアに公開した。

同センターは2019年6月、ESR開発の大型物流施設「ESR市川ディストリビューションセンター(DC)」内で運営をスタートし、中国の新興ロボットメーカーGEEK+(ギークプラス)の物流ロボット「EVE」を200台以上導入。アッカが入出荷業務に活用し、ナイキが自社ウェブサイトで展開している通販向けと実店舗向けの両方の商品を取り扱っている。

EVEは商品が納められた棚の下に潜り込んで持ち上げ、作業スタッフが待つエリアに運ぶ仕組み。AI(人工知能)を活用し、出荷頻度の高い商品の収められた棚は自動的に作業エリアの近くに配置するなどの機能を有しており、The DUNKでも出荷作業のスピードアップなどで成果を挙げているという。

The DUNKはシューズやスポーツウエアなど国内外で製造した主力商品を最大100万点保管できる想定となっている。商品の保管棚は約6000を配置しており、EVEを最大限生かすことで1日当たり3万~4万点の出荷を可能としている。注文を受けてから数時間後に商品を届けるといったサービスにもつなげられている。


「The DUNK」が入る「ESR市川ディストリビューションセンター」(ESR提供)※以下、写真は全てクリックで拡大


入出荷エリアで稼働する「EVE」


大量の棚が整然と並ぶ庫内エリア


床の二次元バーコードを基にロボットが自律移動する

ナイキは自社で企画・製造した商品を大手の通販サイトなどを介さず消費者に直販する「ダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)」が急速に伸びており、いかに入出荷を効率的に行うかが課題になっているという。大和ハウスとアッカは19年10月、ナイキと物流現場の業務効率化などで戦略的業務提携を締結しており、The DUNKでアッカが培ってきたノウハウを日々発揮している。

アッカの加藤大和代表取締役は「人手不足が続く中、200台規模で物流ロボットを支障なく運用できるノウハウを持っているのは当社の強み。今後取扱量が拡大して物流ロボットの台数を増やす場合にも円滑に対応できる。ナイキさんからも物流ロボットを物量拡大の“救世主”と位置付けていただいている」と強調。提携関係に基づき、ナイキの海外拠点でもアッカのロボット活用などのノウハウを積極的に生かしていくことに強い自信をのぞかせた。


アッカの加藤代表取締役


センターにはナイキとアッカのコラボレーションを示すサインが設けられている。ナイキの倉庫としては異例という

(藤原秀行)

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