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【独自取材】「大型案件は一度に全て建てず、段階的に開発することが絶対必要」

【独自取材】「大型案件は一度に全て建てず、段階的に開発することが絶対必要」

この記事は「グッドマンジャパン・ブルックスCEO、「慎重かつ賢明」な物流施設投資を堅持」のインタビューを元にした一問一答形式となります。
先に本記をご覧ただくことをおすすめ致します。

ブルックス・グッドマンジャパンCEOインタビューの一問一答

 グッドマンジャパンのアンガス・ブルックスCEO(最高経営責任者)はロジビズ・オンラインとのインタビューで、物流施設開発の差別化に懸ける思いを語った。主なやりとりは以下の通り。

――事業の過去1年間を振り返った感想を。

 「クオリティーの高い物件とサービスを提供するとの目標は全くぶれておらず、その意味で素晴らしい実績を達成できたと思っている。特にこの12カ月、ビジネスが非常に好調だった。計画通り物件が完成してリーシングも進み、新たな物件開発も計画通りのペースで進んでいる」

――順調な要因は?

 「鍵はマスタープランを作り込むこと、そして長期的な視野で戦略を考えることだ。クオリティーの高い物件を良い立地で、魅力的な価格で提供する。この3つのポイント全て達成できないのであれば、あえてプロジェクトに手を出さないというのが当社の姿勢。定量的な目標は特に設定していない」

 「マスタープランを作る際は、いかに交通渋滞を起こさないスムーズな車両動線を確立するかが第一歩。ロケーションがどれほど良くても、物件周辺1キロメートル以内が大渋滞では話にならない」

「段階的に開発するというポリシーは絶対に必要。そうすることで本当に計画的に、着実にプロジェクトを進めていける。1つの建物を完成させてリースアップし、お客さまのオペレーションもきちんと始まり、人もちゃんと雇えて、いろんな問題を解決して2棟目が立ち上がってくる、そういうタイムラグをきちんと計画的に設けることが必要。1棟目の反省点を2棟目以降に生かせる。特に今は人手確保が大変なので、一度に全て建ててしまうとテナント企業間で採用競争になってしまう。開発者として段階的なアプローチを取ることは非常に重要だ」

――「慎重かつ賢明」との基本方針に変更はない?

 「変わりはない。ロケーションに関しては、グローバル全体の戦略と同じく、日本も大消費地を抱え、人口が多い大都市に集中して物件の投資開発を行うという『ゲートウェー都市戦略』を展開している。単に賃料が安ければいいというわけではなく、魅力的で競争力のある価格を設定する」

 「あっと言う間に市場環境が変わるので先読みが不可欠。賃料をいくらでオファーできるロケーションなのかという見込みも肝要だ。今は市場全体が堅調で需要は多いが、ダウントレンドのタイミングが必ず来る。そうなった時でもこの価格で貸せるのか、という長期的スパンの視野は重要。たとえ物流好立地として注目を集めているエリアでも、リスクが高いと判断すれば当社は手を出さない」

――国内で注目しているエリアは?

 「アクセスに優れた交通網、人手確保の優位性、魅力的な賃料オファーという3要素を兼ね備えたロケーションだ。首都圏でいえば、やはり圏央道から湾岸の方のエリア。ただ、それぞれのロケーションに異なる魅力があるので、圏央道より外側には全く興味がないというわけではない。関西圏も同様に関心を持っている」

テナント企業の自動化アップグレードを支援

――千葉県印西市で進めている旗艦施設「グッドマンビジネスパーク」の進捗状況は?

 「既に2棟稼働しており、いずれも非常にリーシングが好調だ。お客さまにご満足いただけるクオリティーを実現できて私どもも大変満足している。3棟目が来年2月に完成予定で、賃貸面積の約45%をセンコーにご契約いただいた。非常に引き合いが多く、3棟合わせても足りないくらいのニーズを頂いているので近々4棟を建てる予定だ。2020年完成ということで計画を進めている」

 「広大なビジネスパークの中には、物流以外の産業用途施設も建設する予定。さらにパークの中心にあるアメニティーゾーンは託児所やフィットネスセンター、クリニック、店舗、カフェなどを整備する計画を立てている。宅配の荷物をピックアップできるステーションや、リフレッシュできて地域の方々も自由にお越しいただける緑地も考えている」
 「拡張する部分は、特にトラックドライバー専用のさまざまなアメニティーを考えていきたい。例えば休憩できる施設や待機所、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、シャワー、コインランドリーなど、トラックドライバーをターゲットとしたサービスも強化したい」

 「テナント企業にはいろんな意味でコストのプレッシャーがある。当社の施設を長期的に満足してご利用いただきたいので、拡張性も含めて、さまざまな需要に柔軟に対応したい。そのために、前述した3つのポイントを重要視しており、それはビジネスパークでも全く同じだ」

――物流現場の人手不足に対する自動化への対応は?

 「当社が何か先端技術を施設に取り入れても、進歩のスピードが非常に早い。2年後にはもう陳腐化しているかもしれない。逆に言えば、その一歩手前で、フレキシブルなインフラを整えておいて、お客さまがどんどん、好きな機械を好きなレベルでアップグレードすることをサポートできる施設を造っていきたい」

(聞き手・藤原秀行)



「グッドマンビジネスパーク」の「ステージ1」(上)と「ステージ2」の全景(グッドマンジャパン提供)

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