三菱食品が自社株をTOB、親会社の三菱商事が応募へ

三菱食品が自社株をTOB、親会社の三菱商事が応募へ

発行済みの23%上限、流通比率向上狙い

三菱食品は5月27日、自社株のTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買い付けの上限は発行済み株式の23・40%(三菱食品保有分除く)に相当する1360万株で、取得価額は1株当たり2592円、総額で上限を約352億5100万円と設定している。

親会社の三菱商事は同日、TOBに応募する方針を公表。同社が保有している三菱食品株の約4割に相当する1360万株を譲渡すると説明した。買い付けに要する資金は手数料などを含めて総額で約352億円7400万円の見通し。

TOBの期間は5月28日~6月24日、決済の開始は7月16日。三菱食品が三菱商事応募分を全て買い付けてTOBが成立した場合、三菱商事の三菱食品株保有比率は現在の61・99%(3月末時点)から38・18%に低下する見込みだが、自己株式を除いた議決権ベースでは50・11%のため、三菱商事が親会社の立場を維持する。

東京証券取引所は2022年4月に市場の区分再編を予定しており、各市場は発行済み株式全体のうち、市場で流通している株式の割合が一定以上あることを条件の1つに設定。現在の1部に代わる「プライム市場」は35%以上とすることが求められる。

三菱食品は市場区分再編をにらみ、今後も上場を維持できるよう市場流通株式を増やしておきたい考えだ。

(藤原秀行)

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