パナソニック ハウジングソリューションズが実証実験、再配達も削減
パナソニックグループで住宅設備・建材などを手掛けるパナソニック ハウジングソリューションズは4月12日、国土交通省主催の「非接触・非対面型輸配送モデル創出実証事業」に参画し、2021年12月6~19日に行った宅配ボックス活用などの実証実験結果を公表した。
宅配ボックスと同社が扱っている小包ポスト「Pakemo」を併用したところ、対面による受け取り率や再配達率が減少することが分かった。
実験は10世帯の協力を得て展開。1期と2期、それぞれ1週間ずつ設定し、1期は既存のポストのみを利用したのに対し、2期は各住戸に宅配ボックス2個と小包ポスト1台を設けて大型の荷物を受け取ることができるようにして比較した。
その結果、1期と2期の間で、対面での受け取り率は68.4%から17.9%に減少。再配達率も6.3%から2%に下がった。
また、1期は夜間(午後6時~)の配達が25%を占めていたが、2期では8%に減少した。同社は配達時間帯の平準化にもつながる可能性があるとみており、「宅配ボックスや小包ポストの設置がトラックドライバーの時間外労働規制の課題解決の1つになると考えられる」との見方を示した。
Pakemoで受け取ることができる「受領印不要の厚みのある配送物」に絞って比べると、17%だった対面受け取り率と2.7%だった再配達率はともにゼロとなった。
同社は今回、宅配ボックスに加えて小包ポストも併用したことで、宅配ボックスが使用中でも複数個の荷物を同時に受け取ることができたため、対面での受け取りおよび再配達率減少の効果がより高かったと考察している。
(プレスリリースより引用)
宅配物の再配達率は減少していたが、新型コロナウイルスの感染拡大でEC利用が急増していることなどが影響し、2020年10月ごろからは再び増加傾向が見られる。同社の宅配ボックスユーザーを対象としたアンケート調査では、宅配ボックスに欲しい機能として、荷物を複数個受け取ることが全体の87%に上っている。
同社は1日に2個以上の配達が増えていることが考えられると指摘。宅配ボックスがあっても使用中で預けられず再配達になる事象が発生していると推測しており、解決策を講じることにした。
21年6月には従来のポストより投入口が広く最大で厚さ7センチメートルの荷物が受領印不要で受け取りできるPakemoを発売した。
(藤原秀行)