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米アマゾン・ジャシーCEO、物流施設の作業安全性強化重視をアピール

米アマゾン・ジャシーCEO、物流施設の作業安全性強化重視をアピール

初の「株主への手紙」公表、従業員の待遇不満意識か

米アマゾン・ドット・コムのアンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)は4月14日、同社株主向けに経営戦略などを説明した「株主への手紙」を公表した。

株主の手紙は、アマゾン創業者で前任のジェフ・ベゾス氏が毎年1回、定期的に発表していた。2021年7月に就任したジャシー氏にとっては初めてとなる。

ジャシー氏は株主への手紙の中で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたインターネット通販の急速な利用拡大を受け、物流の基盤強化に努めてきたと説明。物流施設に関しては、業務量の増大を考慮し、従業員が作業に就く際の安全性強化を重視していく姿勢を強調した。

アマゾンでは今年4月、ニューヨーク市のスタテン島にある物流施設の従業員が同社では初めて労働組合を結成することが決まるなど、同社の待遇に対する従業員の不満が高まっている。ジャシー氏が公表した株主への手紙はそうした事情を意識し、労働環境の改善に注力しているとのスタンスをアピールしたい思惑をうかがわせた。


ジャシーCEO(アマゾン提供)

株主への手紙は収益が2桁の伸びを記録してきたことに触れた上で「アマゾン設立以来、最初の25年間は非常に大規模な(ネット通販への出品者の物流を包括的に支援する)フルフィルメントネットワークを構築した。その後は顧客の需要を満たすため(コロナ禍に見舞われた)過去24カ月でその規模を2倍にする必要があった」と解説。物流基盤を急速に拡充する必要性に追われたことを明らかにした。

コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を受けた国際的な物流混乱の影響を受けていると認めた上で「2021年はクレイジーで予測不可能な年であり、20年からそうしたトレンドが続いている。しかし、私は世界中の従業員からの信じられないほどのコミットメントと努力を誇りに思っている。この期間にチームが示した献身と並外れた努力がなければ、私たちの誰もが同じようにパンデミックを乗り越えられたかどうかは分からない。私は永遠に感謝している」と従業員に深い謝意を示した。

フルフィルメントネットワークに関しては、2021年の終わりまでに、北米で253のフルフィルメントセンター、110の仕分け用センター、467の配達ステーションを展開しており、加えて157のフルフィルメントセンター、58の仕分けセンター、588の配達ステーションが世界中に位置していると説明。

「私たちの配送ネットワークは世界中で26万人以上のドライバーを持つまでに成長し、「Amazon Air」は100機以上の航空機を抱えている。これは、過去10年半の間に100億ドル(約1兆2000億円)を超える設備投資と、数え切れないほどの作業の反復と、100万人を超えるアマゾン関係者による小さなプロセスの改善の積み重ねを表している」と語った。

その上で、米国の最低賃金の2倍以上の水準を設定するなど、従業員に手厚い保障を講じているとアピール。「物流施設で作業時の転倒やねんざなどを防ぐことに重点を置き、フルフィルメントネットワークの安全性をさらに向上させることに情熱を注いでいる」と語った。けがの発生率は同業他社と比較して、突出して高いわけではないと解説した上で「業界の平均的になることは求めていない。最高になりたい」と訴えた。

作業の安全性確保・向上については、同一の反復作業を解消したり、従業員が危険な行為をしていると検知した場合に警告を発する専用のウエアラブル端末やより性能の高い安全靴を開発したり、従業員向けの訓練を強化したりしていることを列挙。同時に「こうした取り組みはまだ道半ばだ。さらに変革がもたらされるまで続ける」と公約した。

(藤原秀行)

「株主への手紙」はコチラから(アマゾンホームページ、英文)

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