ゼネテック取り扱いの倉庫業務最適化3Dシミュレーションソフト、ワコール流通が採用

ゼネテック取り扱いの倉庫業務最適化3Dシミュレーションソフト、ワコール流通が採用

ピッキングなど倉庫内の移動歩数を25%削減

ゼネテックは6月22日、同社が日本総代理店を務めている世界的に実績の高い離散事象解析の3Dシミュレーションソフト「FlexSim(フレックスシム)」を、ワコールの物流子会社ワコール流通(滋賀県守山市)が倉庫業務最適化のシミュレーションに採用したと発表した。


ワコール流通の現場

ワコール流通は主に衣料品の流通を担っており、商品特有の繊細な取り扱いに対応できる専門性の高いノウハウを蓄積、生産性を高めるために絶えず改善を図り、商品や物流量に最適な倉庫運営を行えるよう注力している。

業務の改善や最適化を行う際には、棚のレイアウトやコンテナボックスの配置などを実際に動かして検証しており、相応の人と時間をかける必要があったことが課題となっていた。

庫内の棚のレイアウトやコンテナボックスの配置、商品を移動するAGV(無人搬送車)の動き、ピッキングする人の動線をデジタル上でモデルとして見える化し、改善案をシミュレーションすることでその効果を可視化、検証するツールとしてFlexSimの導入を決めた。

今後はワコール流通の現場で仮説検証のために実際に棚やコンテナボックスを移動する必要がなくなり、手間と時間を大幅に削減。AGV導入に当たって台数の最適化も実現した。また、より早く複数の拠点でシミュレーションした改善の効果と実施内容を展開できるため、会社全体で改善活動を進められるようになったのもメリットという。

ワコール流通では現時点で、AGVの導入台数適正化による数百万円のコスト削減、ピッキングなど倉庫内の移動歩数を約25%削減、各作業工程の最適化による商品の滞留時間短縮、物流拠点内の各階をつなぐ垂直搬送機の待ち時間抑制といった成果を挙げられているという。


ワコール流通における3Dシミュレーション。人の動線や設備の配置検証に加え、AGVの移動ルートや速度をシミュレートすることで、 AGVと垂直搬送機を連結。水平・垂直両面の動きを自動化し、業務フローを効率化した(いずれもゼネテック提供)

(藤原秀行)

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