23年5月末竣工予定、北陸エリアの建材共同配送ネットワーク強化図る
大和ハウスグループの大和物流は8月23日、富山県高岡市で新たな物流拠点「(仮称)富山高岡物流センター」を開設すると発表した。このほど、工事を本格的に始めた。
地上2階建て、延床面積は1万1805平方メートルを見込んでおり、2023年5月末の竣工を予定している。
完成予想図
同社は今年4月に「金沢物流センター」(石川県白山市)を開設するなど、北陸エリア(富山、石川、福井3県)の事業基盤強化を図っている。高岡市でも拠点を構え、同エリアの建材共同配送サービスの拡充に取り組む。新拠点は建材の共同配送センターとしての運営を中心に、センターの汎用性の高さを活用した各種物流サービスを提供する計画。
北陸エリアは製造業の生産拠点が数多く集積し、日本海側を代表する工業地域を有している。2024年春には北陸新幹線が福井県敦賀市まで延伸される計画もあり、首都圏、近畿圏へのアクセス向上による広域の産業振興が期待されている。富山県内有数の工業集積地帯の高岡市は北陸エリアの主要都市や、東京・大阪・名古屋の3大都市圏へのアクセスに優れるため、新拠点の開発を決めた。
能越自動車道の高岡ICから約1.3キロメートルに位置。北陸自動車道を経由することで、富山市や金沢市、福井市への配送拠点などとして活用が見込まれる。北陸自動車道と東海北陸自動車道の結節点「小矢部砺波JCT」まで約15キロメートル(車で約15分)圏内のため、中京圏や近畿圏との広域配送にも優れているとみてる。
周辺図
広域図
新拠点は建物の2面にトラックバースを設置。北側は高床式、南側は低床式のハイブリッドバースとし、様々な荷役方法に合わせてトラックバースを使い分けられるようにすることで効率的な入出庫作業を可能にする。
断面図
大和物流はこれまで北陸エリアの中で、金沢物流センターで建材メーカーや電気設備メーカーなどに向けた2次配送サービスや共同配送サービスを提供してきた。大和ハウス工業新潟工場に隣接する新潟営業所は北陸エリアの住宅建築現場への配送サービスを行うなど、建築・建材物流事業の実績を積み上げてきた。
今後は新拠点と北陸エリアの他事業拠点を連携させ、北陸エリアで効率的な共同配送サービスを展開する構え。
北陸エリアの大和物流事業拠点(いずれも同社提供)
施設概要
名称:大和物流株式会社「(仮称)富山高岡物流センター」
所在地:富山県高岡市池田231-1他
敷地面積:12,052.00㎡(約3,645.73坪)
延床面積:11,805.07㎡(約3,571.03坪)
構造・規模:鉄骨造 地上2階建て
バース形状:北側:高床式 南側:低床式
床荷重:各階2.0t/㎡
搬送設備:貨物用エレベーター2基(3.6t:1基、4.6t:1基)、垂直搬送機1基(1.5t)
環境対応:全館 LED 照明導入、ソーラーパネル敷設 ※2023年6月頃発電開始予定(総発電容量:ソーラーパネル:約722.63kW、パワーコンディショナー:約555.5kW、年間予定発電量:約77万kWh)
アクセス:能越自動車道「高岡インターチェンジ」より約1.3km
最寄り駅:IRいしかわ線・あいの風とやま鉄道線「西高岡駅」より約1.1km、北陸新幹線「新高岡駅」より約5.8km
着工(本体):2022年9月1日
竣工:2023年5月31日(予定)
稼働:2023年6月1日(予定)
施主:大和物流株式会社
設計・施工:大和ハウス工業株式会社
運営:大和物流株式会社
(藤原秀行)