全業種合計でも1カ月で新規賛同数は1桁
政府が物流事業者や荷主企業と連携してトラックドライバーの就労環境改善などを目指す「ホワイト物流」推進運動に賛同し、自主行動宣言を提出した企業・組合・団体が8月末時点で大手メーカーや卸・小売業など計1457に上った。同運動事務局が9月13日、活動状況を紹介している専用ウェブサイトのデータを更新、明らかにした。
ただ、7月末からの1カ月間で見ると、新規に同運動への賛同を表明した企業は7と1桁にとどまった。夏休みシーズンだったことが影響している可能性がある。
新たに賛同した7社のうち、荷主企業で中心的な位置を占める製造業は1社、運輸・郵便業は3社だった。一方、卸・小売業は1カ月ベースの新規参加数がゼロとなった。
卸・小売業は新規参加のペースが低調で、ホワイト物流運動を展開しようとする機運が盛り上がっていないことがうかがえた。トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」を前に、長時間労働是正が急務となっている中、非常に懸念される状況だ。
同運動事務局のホームページによると、新規参加を表明した主な企業・団体は農業・林業のうご農業協同組合とこまち農業協同組合(いずれも秋田)、福岡で金属板の切断・加工を担うリョーコウ工業など。
ロジビズ・オンラインの独自集計では、運輸・郵便業は7月末時点の782から785に、製造業は388から389にそれぞれ増えた。卸・小売業は118のままで変わっていない。
政府は2019年4月の運動開始に先立ち、上場企業約4000社と、全国47都道府県ごとに売上高上位50社ほどを選んだ約2300社の経営トップへ直接文書で協力を要請した。現状ではそのうちの約2割が運動に賛同している。
(藤原秀行)