宇宙輸送サービス開発のインターステラテクノロジズ、室蘭工業大と包括連携協力協定を締結

宇宙輸送サービス開発のインターステラテクノロジズ、室蘭工業大と包括連携協力協定を締結

超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の開発促進

低価格で便利な宇宙輸送サービスを通じて宇宙の総合インフラ会社を目指すインターステラテクノロジズ(北海道⼤樹町)は1月23日、室蘭工業大学(北海道室蘭市)と包括連携協力協定を締結したと発表した。

同社はロケットエンジンに関する豊富な経験と実績を持つ室蘭工業大学と結び付きを強め、初号機打ち上げを目指している超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の開発を促進したい考え。


協定を締結した室蘭工業大学の空閑良壽学長(左)とインターステラテクノロジズの稲川貴大社長

協定はロケットエンジン開発やロケット軽量化のための材料研究など、両者の共同研究をこれまで以上に推進するとともに、人材育成や広報活動等も含めた総合的な連携関係を構築するのが狙い。主に次の6項目で構成している。

(1) 人材育成に関する各種活動
(2) 相互の広報活動
(3) 共同研究の推進
(4) 相互のニーズ及びシーズの提供
(5) マッチングに関する各種活動
(6) その他、本協定の目的達成のために必要と認めたもの

室蘭工業大学とインターステラテクノロジズは2019年度から共同で低コストターボポンプの研究に注力。20年12月には、研究促進のため、同大学内に拠点となる室蘭技術研究所を開設。同大学との事業は、経済産業省の21年度「サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)にも北海道で唯一採択された。

室蘭工業大学は20年10月、インターステラテクノロジズが本社を置く北海道大樹町に、大樹サテライトオフィスを開所。同社との共同研究の促進にとどまらず、大樹町が主催する宇宙航空イベントへの支援・協力など教育や地域貢献にも取り組んでいる。

21年9月には室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センターに、ロケット開発を産学連携で推進する拠点「宇宙プロジェクト共創ラボラトリ」をオープン。国内ポンプ製造最大手の荏原製作所が加わり、室蘭工業大学、インターステラテクノロジズとの3者による共同開発を展開している。


室蘭工業大学内「宇宙プロジェクト共創ラボラトリ」での研究開発の様子


(いずれもインターステラテクノロジズ提供)

(藤原秀行)

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