【独自取材】三菱ケミカル物流、三重・四日市に液体化学品の加温設備が完成

【独自取材】三菱ケミカル物流、三重・四日市に液体化学品の加温設備が完成

荷役作業の専用ステーションで新たな効率化・高品質サービス提供

三菱ケミカル物流はこのほど、日本トランスシティとの事業合弁で液体化学品の荷役作業を手掛ける「四日市ケミカルステーション」(YCS:三重県四日市市、出資比率:三菱ケミカル物流65%、日本トランスシティ35%)が、三菱ケミカル四日市事業所内で建設を進めていたISOコンテナ加温設備が完成したことを明らかにした。

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化学品輸送の小ロット化・多頻度化、中間原料の輸入増加に伴い需要が高まっている加温や詰め替え、容器洗浄、メンテナンスなどの作業をワンストップで担う「ケミカルワークステーション」(CWS)事業を展開。専門的なノウハウ・技術が求められる化学品物流で効率性向上、品質安定化を新たな付加価値サービスとして提供する考えだ。



完成したISOコンテナ加温設備(三菱ケミカル物流提供)

去る2月21日に現地で竣工式を行い、先ごろYCSの清水修一社長がロジビズ・オンラインの書面取材に応じた。

施設の敷地面積は約2000平方メートル。海外から払い出される中間原料を日本へ海上輸送する際に使用するISOタンクコンテナの加温設備はオンシャーシ、スチーム加温式で蒸気温度は約140度。窒素封入設備、4レーン同時加温可能な加温レーン、2レーンの待機場所などで構成され、指定可燃物や危険物第4類第3石油類および同第4石油類を取り扱う。現地では各設備の最終検査が行われており、試運転を経て3月初めに本格稼働を開始する見通し。

化学品の荷役作業は各メーカーの拠点で独自に行われ、内容に応じて複数の専門業者を起用するなど工程が煩雑化して効率性・品質面に課題があると指摘されている。三菱ケミカル物流はCWS事業を通じて化学品の安全輸送や人手不足対応、加えて四日市港の活性化にもつなげていきたい意向を示している。

清水社長は竣工式で「皆さま方のおかげで立派な設備が完成した。品質管理をしっかりして安全に作業を行いますます発展していきたい」とあいさつ。またロジビズ・オンラインの質問に対しては「東海環状道・大安IC~東員IC間が3月17日に開通し交通アクセスも向上することから、今後は中部圏さらには近畿圏のエンドユーザー向けに加温設備を活用したサプライチェーンの効率化を提案していければ」との戦略ビジョンを示した。


YCSの清水修一社長

(鳥羽俊一)

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